到達主義、発信主義とは|用語集
到達主義、発信主義とは
意義:
- 到達主義:「隔地者)に対する意思表示の効力は,表示が相手方に到達したときに生じるとされる原則」
- 発信主義:「意思表示の効力が発生する時期を、それが発信されたときとする主義」
到達主義
民法97条:「隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。」
到達とは?
♦参考判例:最判昭36年4月20日判決
判旨(要約):「到達とは、社会通念上、意思表示が相手方の勢力範囲に置かれること、すなわち、相手方が了知できる状態に置かれることを言う。」
すなわち、相手方が意思表示を知りうる状態にさえなれば、現に相手方がそれを知らなくても到達があったと言え、必ずしも相手方本人が受け取る必要はなく、相手方の親族や同居人であってもよいことになります。
民法97条2項:「隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。」
なお、上記にあるように、表意者が通知を出した後に死亡した場合も有効となります。
発信主義
民法526条:「隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する。」
契約の申込みに対する承諾については、例外的に意思表示の効力発生時期が発信の時とされています。契約を成立させる意思表示である承諾について発信主義を採用したのは、契約が成立する時期を到達時点にするよりも発信時点に早めるほうが取引を迅速に行うことができるからと考えられています。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。地代滞納、建物明け渡しなど借地権・底地権の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。