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債権の準占有者に対する弁済とは|用語集

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作成日:
コンテンツ番号:1932

債権の準占有者に対する弁済とは

民法478条:「債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。」

要件

  1. 債権の準占有者に対して弁済をしたこと。
  2. 弁済者が善意・無過失であること。

準占有者とは?

♦参考判例:大判昭2.6.22
判旨:「債権の準占有者とは、自己のためにする意思を持って債権を行使する者で、債権者ではないのに取引通念上債権者らしい外観を有する者をいう」

準占有者に当たるとされたケース

債権者の代理人と称する者、無効な債権譲渡の譲受人、債権者の相続権を有しない表見相続人、債権証書の持参人、預金証書と印鑑の持参人等です。

効果

  1. 真実の債権者は、債務者に対し、履行や損害賠償を請求することができなくなります。
  2. 真実の債権者は、準占有者に対して不当利得に基づく返還請求または不法行為に基づく損害賠償を請求が可能です。
  3. 債務者は、準占有者に対して返還請求できません。

一見すると本来の債権者でない者に弁済しても有効になるなんて、と思うかもしれませんが、「弁済者保護の一定必要性」と「真の債権者の保護」とのバランスを考え、弁済者に債権者であることについて「善意・無過失」を要求する事でバランスをとり、調整しています。

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

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