借地権者が底地を時効取得することはありますか?|底地の売却・相続
借地権者が底地を時効取得することはありますか?
借地権者が底地を時効取得することはありますか?
地代の支払いがあれば原則としてありません。
詳細解説
1項 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2項 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
民法612条
とあります。1項が悪意取得、2項が善意取得と呼ばれるものです。どちらも「所有の意思をもって」とあり、所有権がある意思が無ければ、そもそも時効により所有権を取得することは出来ません。
例えば、事例のように地代を支払っている場合、「土地を借りている」ということ、つまり、土地の持ち主ではないことを認めているので、「所有の意思をもって」と言う条件が満たされず、借地権者が底地を時効取得することはありません。
- ただし、逆を言えば、借地権者が地主に対して地代も払わない場合、時効取得することがあります(諸条件を充足する必要はあります)。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。地代滞納、建物明け渡しなど借地権・底地権の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。