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借地条件は変更できる?契約前に知っておきたいことまとめ

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借地条件は変更できる?契約前に知っておきたいことまとめ

建物の建築や所有を目的とする土地の賃貸借契約を、借地契約といいます。この借地契約を締結することで認められるのが借地権です。借地契約は借地人(借りる側)と地主(貸す側)の間で締結されますが、このとき土地の利用方法や契約に関する内容を決めておくことがあります。

こうした事前の取り決めが、借地条件です。

契約前に借地条件を十分に理解しておかないと、後々トラブルになることもあります。今回は借地契約を交わす前に知っておくべきことや、将来的に借地条件を変更できるのかどうかについて詳しく解説します。

借地条件とは何か?

まずは借地条件と、それに関連する借地権の概要を説明します。

借地条件とは

借地条件とは、借地に関するさまざまな条件のことです。借地契約(土地賃貸借契約)を締結する際に、地主と借地人の間で取り決めるもので、お互いの権利と義務を定めています。

具体的には、借地に建てられる建物の種類や規模、地代の額、建物の用途などを含むことが一般的ですが、詳しくは後ほど解説します。

なぜ借地条件が設けられているのか

借地を巡って将来起こり得るトラブルを回避するために、借地条件は設けられています。借地条件が定められていないと、どのような権利が認められていて、どのような義務を果たさなければならないかが不明瞭になり、トラブルの原因となります。そのため、借地条件という形で契約時にしっかりと定めておくのです。

さらに、借地条件には借地人が土地を好き勝手に使わないよう制限する目的もあります。例えば、借地人が土地の上に何を建てるか、建物をどのように利用するかなどは、借地条件で詳細に規定することが一般的です。

借地権とは?

そもそも借地権とは、建物を建てる目的で地主から土地を借りる権利のことを指します。この権利は、借地権所有者がその土地に建物を建てることが前提とされています。つまり、建物の建たない土地には借地権を設定することはできません。

借地権を持つ借地人は、地主に地代を支払うことで、その土地を借りる権利を得ます。地代を支払い続ける代わりに、契約が満了するまでは借地人は土地を利用し続けることができるというわけです。

借地条件に含まれる主な項目

ここからは借地条件の内容に含まれる項目についてより具体的に解説します。どのような項目が定められているのか、詳しく見ていきましょう。

借地上の建物に関する内容

まずは借地の上に建てる建物に関する条件を見ていきます。

種類や構造

借地上に建てられる建物の種類や構造に関する規定です。

種類については、建築できるのが堅固建物か非堅固建物かといったことが定められています。

ちなみに堅固建物とは、耐火構造で地震や風雨に対して十分な強度を持つ建物のことです。一方、非堅固建物は、木造など、耐久性が比較的低い建物のことを指します。

構造は「木造のみ」「鉄骨造可」「鉄筋コンクリート造不可」などのような内容が明記されています。借地条件で禁止されている構造の建物は建築ができません。

建物の規模

建物の規模に関する規定には、建物の延床面積、高さ、建ぺい率、容積率などが含まれます。延床面積は建物の広さを、高さは建物の高さを、建ぺい率と容積率は敷地面積に対する建物の占める割合を示します。これらの数値は、都市計画法や建築基準法に基づいた制限を受けることが一般的です。

建物の規模に関する条件が定められている場合、それに従って建物を建てる必要があります。

建物の用途

建物をどのように使えるかの決まりが定められています。具体的には「住宅用」「店舗用」「事務所用」といったことが明記されます。

建物の用途は、土地の利用目的を明確にするほか、周辺環境との調和を図るために定められることが多いです。

建物への追加工事

借地の上に建てられた建物について、増改築ができるかどうかを定めています。増改築が認められていたとしても、一般的には地主の同意が必要です。工事内容によっては、地主から承諾料を求められる場合がほとんどです。     増改築承諾料の額は、工事の内容や規模によって異なります。

増改築承諾料の相場は基本的に更地価格の3〜5%です。

借地権のリフォームに注意!地主への承諾料が必要なケース

借地期間

地主から土地を借りられる期間(存続期間)について明記されています。普通借地権の場合、存続期間は原則30年以上です。もし事前に定められていなかった場合の存続期間は、30年間となります。

契約終了後の更新や延長についても明記されていることが多いです。普通借地権の場合、借地人側が契約更新を申し出たら地主は正当な事由がない限り拒否できないことが借地借家法で定められています。

したがって更新の可否ではなく、更新を行う際の手続きや後述する地代の額の変動などについて明記されていることが多いです。

地代の額

地代とは、借地人が地主に支払う賃借料のことです。地代の額は、土地の立地条件、建物の種類や規模、存続期間などを考慮して決定されます。周囲エリアにある借地でやり取りされている地代の相場が参考にされることもあります。

支払い頻度は契約内容によって異なりますが、月単位での支払いが主流です。地主と借地人の合意のもと、年払いなどが採用されることもあります。


地代の額は、定期的に見直されることもあります。そのため、見直しする可能性があるかどうか、見直しする際はどのような手順を経て決められるかも、借地条件に記載されています。

借地条件は変更できる?

ここからは借地条件の変更について解説します。果たして借地人側から借地条件の変更は認められているか、見ていきましょう。

地主の承諾が得られれば変更できる

借地条件を変更したい場合、地主からの承諾を得る必要があります。借地条件の変更は、借地人と地主の双方が合意し、書面で契約を交わすことが求められます。借地人が一方的に条件を変更することは許されておらず、これは地主側が不利な立場に立たされないようにするためのルールです。このように、借地条件の変更は、借地借家法で定められた内容に基づいて進められるため、借地人と地主の間でしっかりとした合意が必要です。

条件変更承諾料が必要になる

一般的に借地条件の変更を無料で承諾してもらうことは難しいです。借地条件の変更は、地主側からしたら新たなリスクや負担を背負う可能性が出てくることを意味するからです。そのため、地主は条件変更の対価を求めることがほとんどです。

場合によっては、承諾料として法外な金額を要求されるケースもあります。このようなときは、借地人と地主の間でトラブルに発展する可能性が高いので、弁護士のような専門家から助言を得ることをおすすめします。

条件変更承諾料の相場は更地価格の10%程度と言われています。

もし借地条件の変更を地主から拒否されたら

借地条件の変更の可否は双方の合意の上で決定されます。しかし、地主から変更を拒否されても借地条件を変更できることがあります。

裁判所への申し立てが可能

地主との協議が進まないときは、裁判所へ「借地非訟の申し立て」をすることができます。この申し立ては借地借家法で借地人に認められている権利です。

借地人側の主張が正当であると裁判所が認めた場合、借地条件は変更されます。

なお、裁判所は第三者視点で公平に判断を行います。地主側の主張が正しいという判決になった場合は借地条件の変更は認められませんので、覚えておきましょう。
【参考】借地借家法

専門家に相談する

もし借地条件の変更について地主から拒否され、当事者間での話し合いもままならなくなってしまった場合は、専門家に相談することをおすすめします。相続や不動産に強い専門家に相談することで、適切なアドバイスを受けられ、問題をスムーズに解決できる可能性があります。

借地条件の変更は法律や契約の知識が必要になるため、全てを個人で判断するのは難しいです。解決策が見つからない場合は、専門家の力を借りることで問題を整理し、具体的な対策を講じられるでしょう。専門家は過去の事例や法律の知識を基にして、的確にサポートしてくれます。

借地条件でトラブルになったときは中央プロパティーへ!

今回は借地条件について解説しました。借地条件は借地人と地主の両方の権利を守るための内容が記載されています。地主側が不利にならないよう、借地条件の変更は地主側の承諾が必要です。借地人側と地主側の双方が合意して、借地条件は変更されます。

借地条件を巡ってトラブルになりそうなときは、ぜひセンチュリー21中央プロパティーにご相談ください。センチュリー21中央プロパティーでは、借地権に関するトラブル解決を承っていますので、借地条件に関する悩みもお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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