借地人が複数いる場合の注意点とは|底地の売却・相続
借地人が複数いる場合の注意点とは
複数人と借地契約を結ぶときの注意点は何ですか。
地代の回収に注意して下さい。
詳細解説
地主Aがある土地を複数人に貸す場合には、一番の心配は地代の回収が注意すべき点になります。例えば、地主AがBとCに土地を貸し、地代をBに請求したら、”地代はCが払うことになっている。” また、Cに請求したら、”Bが地代は支払うことになっている“ということが起こる可能性があります。このような契約は、BCは地主Aに対して不可分債務を有しているとされています。
不可分債務とは、
「…債権者は、…債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての…債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。」
民法432条
とあります。つまり、Bに対して全額請求することもできますし、Cに対して全額請求することもできます。もちろん、二重に(2倍)の賃料を受領することは不当利得になり、返還することになるので、注意が必要です。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。