\ 無料相談・査定をする /

借地人が底地を買い取る際のポイント

更新日:
作成日:
コンテンツ番号:16721

借地人が底地を買い取る際に押さえておきたい4つのポイント

借地人による底地の買取は、地代の支払いがなくなる、土地活用が自由にできる、売却しやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。この記事では、底地の買い取りを検討している借地人に向けて、購入するメリットや買取のタイミング、買取に伴う税金などについて解説しています。

借地権のみ所有しているものの、もっと土地を自由に使いたいと考えている借地人や、買取を検討している方はぜひ参考にしてください。

<この記事でわかること> 

  • 借地人が底地を買い取るメリット
  • 借地人が底地を買い取るタイミング
  • 底地を買い取るときの流れ
  • おすすめの売却先

1.借地人が底地を買取るメリットは?

借地人が底地を買い取ることで得られるメリットはさまざまです。ここでは具体的にどういったメリットが得られるのか解説します。底地を買い取るべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

1.1.地代の支払いがなくなる

借地人が底地を買い取ることで、それまで毎月地主に支払っていた地代が不要となります。また、契約更新に伴い発生する更新料も支払う必要がなくなるため、費用負担が軽減されるでしょう。

「今の地代は安いから特に困っていないし、このままでもいいかな」と思う人もいるかもしれません。しかし、地代が値上げされる可能性はゼロではないことを覚えておいてください。

底地を買い取ることで費用負担や地代の値上げなどを気にしなくて済むため、大きなメリットだといえるでしょう。

1.2.土地活用を自由に行うことができる

底地を買い取れば、その土地は自分のものとなるため、自由に土地を活用できるようになります。

例えば、建物の建築や増築、建て替えも自分で自由に決められます。底地を地主が所有している場合は、許可を取らなければならないため、手間がかかってしまいますが、買い取ってしまえばそういった手間が発生しません。

アパートを建てて家賃収入を得られるようにする、駐車場にして収益を得るなど、土地の活用方法はさまざまであるため、大きなメリットだといえるでしょう。

1.3.売却がしやすくなる

借地人が底地を買い取ることによって、完全所有権の土地と建物になります。そのため、借地権付きの建物だけを売る場合と比べて、売却がしやすくなります。借地権付き建物のみを売却する場合、土地の活用に地主の許可が必要となるなど、制限があるため、購入希望者は少なくなります。

底地と借地権が揃っている完全所有権の状態であれば、土地の活用方法は自分で決められるため、購入希望者も増え高額での売却が実現できると予想されます。

2.底地の買い取りで揉めるケース

借地人と地主は利益相反の関係にあるため、底地の売買価格をめぐって、トラブルに発展しないように注意しなければなりません。

地主は、借地人が支払う毎月の地代で収益を得ていますが、底地を失うと地代が得られなくなります。そのため、地主はできるだけ高い価格で売却したいと考えているため、相場よりも高い金額を提示する可能性があるでしょう。一方で、借地人は、当然ながら「できるだけ安く底地を買い取りたい」と考えるため、双方は利益相反の関係になります。

相場価格で買い取るためには、事前に底地の相場を把握しておくことが大切です。借地人が底地を買い取る場合は、限定価格という特殊な価格設定方法が適用されます。価格を把握したうえで地主が提示する金額を確認し、乖離しているようであれば、納得のできる金額にしてもらえるよう交渉する必要があります。

3.借地人が底地を買い取るタイミング

相続や契約更新など、借地人が底地を買い取るタイミングはさまざまです。ここでは具体的にどういったタイミングで買い取るのか解説します。借地人が買取を希望する時に、地主が売却を検討しているとは限りません。どういったタイミングで買い取ることになるのか、借地を利用している方はぜひ参考にしてください。

3.1.相続が発生するタイミング

借地人が底地を買い取るタイミングの1つが、地主の相続が発生した時です。地主は、複数の土地を所有しています。そうなると、地主の相続人は、土地を相続するにあたり、多額の相続税を納めなければなりません。また、底地を所有することは、地代が得られるというメリットがある一方、借地人が地代を滞納している、地代の増額に応じてくれない、など借地人とトラブルになるリスクがあります。このような背景から、昨今は相続をきっかけに底地を手放したいという相続人も増えています。

そのため、地主の相続が発生したタイミングで、地主の相続人から底地の買取を提案されるケースが多いです。

3.2.借地契約の更新時

借地契約は定期的に更新のタイミングが訪れます。更新時は、地主にとって契約内容の条件変更を提案する絶好の機会となります。このタイミングで、地主が底地を手放したいと考えていた場合、地主から底地を買い取ってもらえないか、と打診されるケースがあります。

借地人側から、底地の買取を提案するタイミングとしても更新は良いきっかけとなるでしょう。但し、すんなり地主が底地を売ってくれるケースは非常に稀です。

無理な交渉は、関係性が悪化する可能性がありますので、注意しましょう。

4.底地の買取相場はいくら?

借地人が底地を買い取る場合、買取価格がどのくらいなのか気になる人は多いでしょう。ここでは、借地人の買取価格に影響する底地の限定価格について解説します。どのようなものでどうやって算出するのか解説しているためぜひ参考にしてください。

4.1.底地の「限定価格」とは

底地の限定価格とは、土地の更地価格から借地権の価格と底地の価格を引いた差額に基づいて、それぞれの貢献度に応じて算出される価格です。「限定」とついているように、限定価格は、一般的な市場取引とは異なる特定の不動産において成立します。限定価格が適用される例は以下の通りです。

  • 借地人が底地を併合するために買い取る場合
  • 隣接する不動産を併合するために買い取る場合
  • 経済合理性に反している不動産の分割を前提とした売買

借地人による底地の買取も限定価格が適用されるケースの1つです。

4.2.限定価格の計算方法

借地人が底地を買い取る場合の限定価格は、土地の更地価格から底地の正常価格を差し引いた差額を算出し、それぞれの貢献度に応じて計算されます。貢献度によっては、差額分が全額底地価格にプラスされるケースもあれば、何パーセントかプラスされるケースもあるため注意してください。

差額分が全額プラスされると高額になる可能性もありますが、それでも借地権者にとってはメリットの方が大きいといえます。これは、借地権と底地が一体になり、資産価値が向上するためです。

5.借地人が底地を買い取った場合にかかる税金

借地人が底地を買い取る場合、税金が発生する点に注意しなければなりません。ここでは具体的にどのような税金が発生するのか解説します。買取を検討している方はぜひ参考にしてください。

5.1.不動産取得税

不動産取得税とは、その名の通り不動産を取得した際に買主に発生する税金です。底地を買い取ることで不動産取得税がかかります。税額は固定資産評価額から控除額を差し引いた金額です。

5.2.固定資産税・都市計画税

固定資産税とは、土地や建物の所有者に対して毎年課される地方税です。また、都市計画税は、都市計画事業や区画整理事業を目的として、その事業の対象となるエリアにある土地や家屋に対して課される税金です。

1月1日時点における登記簿上の不動産所有のもとに、毎年4月もしくは6月ごろに納税通知書が届きます。そのため、例えば年の途中で底地を購入した場合、地主がすでに納税している可能性があるため、納税負担割合を決めなければなりません。

固定資産税の税額は、課税評価額に1.4%をかけたものとなり、都市計画税は課税評価額に0.3%をかけたものとなります。ただし、固定資産税に関しては、借地上の建物の種類や広さによって税率を軽減してもらえる可能性があります。詳しくは、各自治体の窓口に確認してください。

6.借地人が底地を買い取るときの流れ

借地人が底地を買い取る際の流れは以下の通りです。

  • 不動産会社や地主に相談する
  • 底地の査定を行う
  • 売買契約の内容確認
  • 所有権の移転手続き

6.1.不動産会社や地主に相談する

底地を買い取る場合、まずは不動産会社や地主に相談しなければなりません。地主から「底地を処分したい」「買い取って欲しい」といった話を以前から聞いている場合は、地主に直接相談しても問題ないでしょう。

一方で、借地人から地主に底地の買取を提案する場合は、不動産会社を経由することをおすすめします。これはいきなり借地人が一人で相談に行くとトラブルになる可能性があるためです。また、底地の買取には専門知識も求められるため、専門家のサポートがあった方がスムーズです。

6.2.底地の査定を行う

相談した結果、買取に向けて準備することとなった場合、まずは底地の査定を行います。借地権の契約面積と底地の面積は必ずしも一致するわけではないため、売買対象になる底地の面積を正確に測定したうえで査定することとなります。底地の価格は限定価格が採用されるため、査定金額が借地人にとっては想定よりも高い金額となる可能性があるでしょう。

 「限定価格」とは、一般的な市場取引とは異なる限定した不動産にのみ成立する価格 のことです。

底地の査定には、専門知識が必要ですので、底地専門の不動産業者に査定を依頼しましょう。

6.3.売買契約の内容確認

売買価格について双方の合意が得られれば、売買契約の内容確認に移ります。後々のトラブルを回避するためにも、契約内容は隅々まで確認してください。

登記手続きの費用はどちらが支払うのか、売買代金の支払い方法はどうするのか、借地人が買い取る底地の範囲はどのくらいかといった点は特に重要です。

6.4.所有権の移転手続き

底地の売買契約の内容に問題がなければ、所有権移転登記の手続を行います。基本的に、移転手続きの期日は契約書に明記されており、手続きは買主が行うため、売主である地主は必要書類だけを用意します。所有権移転の登記手続きが完了すると、底地の所有者も買い手である借地人のものとなるため、地代の支払いなども不要になります。

7.借地人なら底地買取でローンを組むことができる

底地だけでは、担保評価がないこともあってローンを組むことは難しいとされていますが、借地人が買い取る場合は、住宅ローンを使って底地を買い取ることができます。底地とはいっても、買取価格が高額になる可能性があるため、ローンが使用できることは大きな助けになるでしょう。

ただし、金融機関によっては住宅ローンの条件や資金の用途に違いがあり、底地買取にローンを適用できない可能性もあるため、詳しくは各金融機関に確認してください。

8.底地の買取は仲介業者に相談するのがおすすめ

借地人による底地の買取は、地主と直接やりとりして進めることもできますが、仲介業者を挟んだ方がよりスムーズです。

例えば、不動産売買契約の手続きには、さまざまな権利が関係してくるため、専門知識がないとうまく対応できない可能性があります。そのようなとき、底地専門の仲介業者であれば、税理士や司法書士、弁護士といった各種士業と連携しながら、うまく権利調整を行ってくれます。また、買取業者と違い複数の投資家から買い手を見つけるため高く売却することが出来ます。

底地専門の仲介業者では、地主との間にトラブルがある場合や関係が良くない場合でも、交渉はすべて代行してもらえるため、心理的な負担も最小限に抑えることができます。また、現金化するまでのスピードも速いため、地主にとってもメリットがあります。

まとめ 

借地人は、底地を買い取ることで地代の支払いが不要となるほか、土地を自由に活用できるなど、さまざまなメリットがあります。底地買取は、相続や契約更新のタイミングで行われるケースが多いですが、地主に相談するのも1つの方法です。

相談する際は、仲介業者にサポートしてもらうとスムーズに進められます。相談だけでなく、手続き面でも仲介業者の持つノウハウは借地人にとって大いに役立つものであるため、ぜひ利用を検討してみてください。

中央プロパティーは、企業内弁護士の他に各士業と連携しているため、地主とトラブルを抱えている人でも対応できます。また、面倒な交渉なども全て任せられ、書類作成などもする必要がないため、手間をかけたくない人にぴったりです。

底地の買取を検討している借地人の方は、中央プロパティーへご相談ください。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。借地権を始めとした不動産トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

この記事のタグ

おすすめの記事はこちら