借地権付き建物をスムーズに売却するための4つのコツを解説|借地権の売却・買取
借地権付き建物をスムーズに売却するための4つのコツを解説
目次
借地権付き建物は、買い手を見つけることが難しいと思われがちです。この記事では、借地権を専門に扱ってきた不動産会社が、借地権付き建物を簡単に売却できるコツを解説します。
関連記事:借地権は売却可能!売却を成功に導く地主への交渉術・流れを徹底解説
1.借地権付き建物とは?売却が難しい理由
ここでは、まず借地権付き建物とは何かを解説します。借地権付き建物の売却が難しいと言われる理由について、わかりやすく解説します。
1-1 借地権付き建物とは
借地権付き建物とは、「借地権」という権利が付いた建物のことを指します。
借地権とは、建物を建てる目的で土地を借りる権利のことです。つまり、借地権付き建物とは、借りている土地の上に建つ建物のことです。
通常の不動産は、土地と建物の名義人が同じです。しかし、借地権付き建物は、土地と建物の名義人が異なるのが特徴です。
1-2 借地権付き建物の売却が難しい理由
借地権付き建物の売却が難しい理由は、借地権特有の制限があるためです。この制限によって、「借地権付き建物を買いたい」という購入希望者の需要が少ないのです。
例えば、借地権特有の制限には、以下のようなものがあります。
- 建物の売却や増改築には、地主の許可が必要
- 契約期間の満了後は、更地にして返還する義務がある
- 借地権付き建物の購入時に住宅ローンが通りにくい
- 永続的に地代の支払いが必要
このような特徴がある借地権ですが、コツを理解していれば、借地権を売却することは可能です。
2.借地権付き建物を売却する方法
ここでは、借地権付き建物を売却する方法を具体的に紹介します。
2-1 地主に買い取ってもらう
一般的によくおこなわれるケースは、借地権を地主に買い取ってもらう方法です。
地主側からすると、借地人から借地権付き建物を買い取ることで、土地と建物が両方自分のもの(完全所有権の不動産)になる訳です。つまり、地主にとってもメリットがある話しです。
地主側に、土地を返して欲しいという意向があれば、交渉も難なく進むでしょう。
但し、交渉の仕方次第で売買価格や建物の解体費用などの条件が変わってきます。借地人に有利に話しを進めるためには、借地権専門の不動産会社に交渉を代行してもらうのが良いでしょう。
借地権付き建物を地主に買い取って貰う流れは以下の通りです。
- 借地権に詳しい不動産会社に相談する
- 地主への交渉を代行してもらう
- 売買条件について決める
- 売買契約の締結
- 建物の引き渡し
2-2 地主に承諾を得て第三者に売却する
借地権付き建物は、地主の承諾があれば第三者に売却することが可能です。
売却先の第三者とは個人の投資家や不動産の買取業者などがあります。借地権は、先述した制約があることから、一般市場ではなかなか購入希望者が見つからない特徴があります。そのため、借地権の買い手探しが得意な不動産会社にまずは相談してみましょう。
また、注意点として、地主の譲渡承諾を得るためには承諾料が必要なことです。一般的に承諾料は、借地権の売却価格の10%程度だといわれています。
高額な承諾料を請求されるケースも珍しくありませんので、地主の言いなりにならず、借地権に詳しい不動産会社や弁護士に相談すると良いでしょう。
借地権付き建物を第三者に売却する流れは以下の通りです。
- 借地権に詳しい不動産会社に相談する
- 借地権付き建物の査定額を算出
- 販売活動開始
- 売買条件・契約条件について地主へ交渉する
- 地主に承諾を貰う
- 買主と売買契約の締結
- 建物の引き渡し
2-3 底地とセットで第三者に売却する
底地と借地権をセットで売るという方法もあります。底地と借地権をセットにすることで「完全所有権」となり自由に扱える土地になるので、一般的に流通されている不動産と同じく、この方法は第三者に売却しやすい方法だといえます。
しかしこの場合、当然のことながら地主が土地を手放さなくてはいけないというデメリットが発生するので、交渉が難航する可能性が高くなります。
2-4 等価交換した後に第三者に売却する
土地の広さを十分に確保できる場合、等価交換した後に第三者に売却する方法も考えられます。地主と借地人がおこなう等価交換の方法とは、借地面積の一部と、地主が所有している底地権の一部を同じ価値だけ交換するというものです。
例えば100坪の借地面積の内50坪を地主に返却し、代わりに残った50坪の借地面積の底地部分50坪を地主からもらい、価値が不均等な場合は差金で精算をおこない調整を図ります。
そうすることで土地の一部の完全所有権を得ることが可能になり、借地権のときより資産価値が上がります。
借地人と地主双方にメリットがある方法ですが、注意点もあります。地主との交換比率の調整、土地の測量や分筆登記などの時間や手間がかかるので、等価交換は時間や費用に余裕を持って取り組むことが重要です。
3.借地権付き建物をスムーズに売却するコツ
借地権付き建物の売却は、通常の不動産と比べてテクニックが必要です。ここでは、複雑な借地権付き建物の売却をスムースに進めるためのコツを4つ紹介します。
- 借地権に強い不動産会社に相談する
- 借地権に強い弁護士がいる不動産会社に相談する
- 地主への交渉は不動産会社に任せる
- 各社に比較して売買価格の相場を調べる
3-1 借地権に強い不動産会社に相談する
借地権付き建物を高く売りたいと考える際、大手の不動産会社に相談する方が多いですが、実は断られるケースも珍しくありません。
借地権付き建物は、通常の不動産に比べて権利関係が複雑で、地主への交渉力や法律的な深い知識が求められます。このような背景から、借地権付き建物をトラブルなく扱うことができる不動産会社はとても少ないのが現状です。
「大手なら大丈夫」と考える方も多いですが、借地権においては、大手云々よりも、借地権を専門に取り扱う不動産会社に相談するのがおすすめです。
センチュリー21中央プロパティーは、これまでに借地権トラブルを4万件以上解決してきたノウハウがあります。
3-2 借地権に強い弁護士がいる不動産会社に相談する
借地権付き建物を売却する際には、必ず弁護士からの助言を得ることが大切です。
先ほど、借地権付き建物の売却には、地主の承諾が必要と解説しました。地主の承諾が得られない場合は、どうなるのでしょうか。
残念ながら、地主の承諾が得られない場合、借地非訟という裁判を行うことになります。借地非訟とは、地主の代わりに裁判所に譲渡承諾を得る手続きのことです。
その他にも、借地権付き建物の売却をめぐって、条件交渉等で地主とトラブルになるケースも考えられます。
このような理由から、借地権に詳しい弁護士が在籍している不動産会社に相談するのがおすすめです。
3-3 地主への交渉は不動産会社に任せる
借地人が自ら地主への交渉を進めてしまうと、交渉が難航する可能性が高いです。
なぜならば、地主は長年不動産を扱ってきたプロだからです。不動産に関する法律を熟知していることから、借地人に有利な状態で話しが進むケースは少ないのが現状です。
そのため、まず第一歩の初動は、借地権に詳しい不動産会社に相談することです。不動産会社によっては、状況に応じて交渉の仕方をアドバイスしてくれたり、地主への交渉を丸ごと代行してくれる業者もあります。そうすることで、売買価格を引き上げることができたり、建物の解体費用の負担を軽減できる可能性があります。
センチュリー21中央プロパティーでは、地主の交渉に関するアドバイスや代行を積極的に行っております。
3-4 各社に比較して売買価格の相場を調べる
借地権の売却に、明確な相場は存在しません。査定方法や売却先によって、大きく相場が異なります。
同じ不動産会社でも、買取業者と仲介業者では、仲介業者の方が査定額が高い傾向にあります。借地権に強い不動産会社でも、買取業者と仲介業者が存在します。各社比較して、査定額を比較することをおすすめします。
センチュリー21中央プロパティーでは、借地権付き建物の査定額を24時間以内にお知らせする査定サービスを提供しております。AIと不動産鑑定士によるダブル査定で、他社よりも高い査定実績が多数あります。
まとめ
今回は、借地権付き建物をスムーズに売却するうえで知っておくべきポイントをお伝えしました。
借地権付き建物を売却するには、様々な専門知識や交渉力が必要です。
中央プロパティーでは、20名以上の弁護士・不動産鑑定士などの専門家が、交渉・売却手続き・売買契約締結まで徹底サポートいたします。
また、借地権付き建物の売却で地主に承諾を得られない場合も中央プロパティーにお問い合わせください。各分野の専門家と連携し、トラブル解決や売却手続きなど総合的にサポートさせていただきます。
借地権付き建物の売却でお悩みの際はぜひ中央プロパティーにご相談ください。
この記事の監修者
税理士
税理士。東京都出身。中央大学法学部を卒業し、ワールド法律会計事務所代表。借地権の相続案件で多く相談される相続税が得意分野だが、生前贈与や、親族間の不動産売買等相続対策にも豊富な経験・実績のあるスペシャリスト。