作成日:2017.05.30

不法原因給付


不法原因給付

意義:不法な原因に基づいて行われた給付のこと。


【詳細解説】

民法708条:「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」

とあります。

一般の不当利得の要件を満たしていても返還請求ができません。

例えば、愛人契約や麻薬の売買契約等の契約は公序良俗に違反するため、仮に片方が不当利得の成立要件を満たしていても、不当利得返還請求はできないということになります。

不法原因給付

※要件について

「不法」とは公序良俗に反することを言います。

「給付」とは終局的なものである必要があります。

これについての参考判例を見てみましょう


♦参考判例:最判昭46年10月28日判決
判旨:「贈与が有効な場合、特段の事情のないかぎり、所有権の移転のために登記を経ることを要し

ないことは、所論のとおりであるが、…贈与が不法の原因に基づくものであり、同条にいう給付があつたとして贈与者の返還請求を拒みうるとするためには、本件のような既登記の建物にあつては、その占有の移転のみでは足りず、所有権移転登記手続が履践されていることをも要するものと解するのが妥当と認められるからである。原審が、右と同趣旨の見解のもとに、本件につき民法七〇八条の適用を否定した判断は、正当として是認することができる。」


としています。

贈与のケースにおいて、未登記物件であればその占有で「給付」があったとされますが、既登記不動産の場合は占有が移るだけでは足りず、移転登記をして初めて「給付」があったとされることになります。

※効果

♦参考判例:最判昭和45年10月21日判決

判旨:「同条(民法708条)は、みずから反社会的な行為をした者に対しては、その行為の結果の復旧を訴求することを許さない趣旨を規定したものと認められるから、給付者は、不当利得に基づく返還請求をすることが許されないばかりでなく、目的物の所有権が自己にあることを理由として、給付した物の返還を請求することも許されない


 給付者は給付した目的物を「返せ」と言えなくなります。

 ※708条但し書き

「…ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」

とあります。

給付者には公序良俗に反する不法は無く、受益者(給付を受ける側)にのみ不法な利益がある場合には返還請求できることになります。
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