作成日:2016.12.12

借地契約を解除する場合の法律上の手段


借地契約を解除する場合の法律上の手段

【底地(地主)】地主Aは借地人Bとの契約を解除して、借地人(借地権者)に立ち退いてほしいときには、法律上どのような手段をとることが考えられますか?

借地契約を解除する場合の法律上の手段

1.建物収去土地明渡請求訴訟  

2.調停

3.訴え提起前の和解 の処置を取ることが考えられます。


【詳細解説】

1、建物収去土地明渡請求訴訟

(1)契約を解除すると借地人は正当にその土地を利用する権限を失ったことになります。

その後は不法占拠者ということになります。

 その者に対して、裁判上の手続きである明け渡し請求訴訟を提起する手段です。

 ただし、裁判によって明け渡しを求めることはあまりお勧めできません。

 あくまで最終的な手段として考えるべきです。

(2)最終的に訴訟になった場合、借地のある場所又は借地人の住所地を管轄する裁判所が管轄裁判所となりますが、滞納地代の支払いも合わせて請求する場合などは、地主の住所地を管轄する裁判所も管轄裁判所となります。

 事前に合意管轄がある場合(専属的合意管轄)はその管轄によります。

 ※例えば、土地や地主・借地人の住所は横浜だが、裁判をする際は東京地裁を管轄にすると事前に取り決めがある場合は東京地裁が管轄裁判所になります。

(3)判決の出る前までにすべきこと

訴訟を提起した後に、借地人が建物を売却したり、第三者に借地上の建物を賃貸したりする場合も考えられます。

その場合いくら勝訴判決を得ても思うように退去を迫ることが出来ず、問題が解決されない場合も考えられます。

そのような事態を防ぐため民事保全手続を利用すると良いでしょう。

簡単に説明すると、係争物をそのままにしておくことを裁判所に請求できる手続きです。

具体的には、仮処分、仮差押えになります。

(4)裁判上の和解

裁判が進むにつれ、互譲できる場合(お「互」いに「譲」り合える場合)は裁判の終了を待たずに、和解をすることが出来ます。

例えば、被告である借地人が「〇月末までに出て行きます」となった場合、地主が納得できる期限であれば和解をすることをお勧めいたします。

裁判所から和解を促される場合にもあります。

裁判上で和解をすると和解調書は既判力があるため、仮に借地人が和解の内容に違反して借地を明け渡さなかった場合には、和解調書に基づく強制執行をすることもできます。

(5)判決後(地主勝訴判決後)について

  建物収去土地明渡しの強制執行手続を進めることになります

  強制執行手続を行うには、必要となる書面を集めるだけでも煩雑な部分があり、その後の手続や執行官とのやりとりにも法的な理解が必要となる場面がありますので、強制執行手続は弁護士に委任した方がよいといえるでしょう。

 ※必要な書面の例:判決書、送達証明書や、判決の確定証明書も授権決定の正本、確定証明書、送達証明書、登記事項証明書や固定資産評価証明書等

執行の際は、執行官とともに借地に赴いて、土地明渡しの催告を行うとともに、その日から1か月以内で強制執行の期日を決定します。

 強制執行の期日までに借地人が任意に土地を明け渡さなければ、建物を収去し、取り壊した建物の資材等を借地人に引き渡します。借地人に引き渡せないときは、執行官が保管のうえ売却の手続を行ったり、無価値物として廃棄したりします。

 ※強制執行の申立てをした後で、借地人が任意に土地を明け渡した場合には、申立てを取り下げればよい。

 手続の費用としてはとしては…

・上記資料の取得費用

・印紙代

・執行費用:裁判所に予納する必要があり

・執行業者の費用(裁判所を通じずに支払う場合)

・弁護士を建てた場合には弁護士費用

 

2、調停

訴訟という手段もありますが、借地人と協議のうえ、具体的な明渡期限や未払い地代の支払い方法を合意により定める調停という手続もあります。

調停が成立した場合には、調停調書が作成されます。

借地人が調停の内容に違反して借地を明け渡さなかった場合には、調停調書に基づく強制執行をすることができます。

 

3、訴え提起前の和解

  裁判をすることなく、和解をする場合になります。

民法695条:「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。」

和解と言っても一種の契約(和解契約)になり、借地人と明渡期限について合意できた場合には合意書を作成することになります。

この訴え定期前(裁判外)の和解は裁判所を関与させることで、裁判上の和解と同じように強い効力を発揮することが出来ます。

裁判所を通じて合意書の内容での和解調書を作成する、仮に借地人が和解に違反し土地を合意期限までに明け渡さなかった場合には、この和解調書に基づいて、強制執行をすることができます。

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