作成日:2016.11.13

賃貸人の義務


①    使用収益させる義務

賃貸人には、賃借人に対して目的物を引き渡す義務及び第三者による使用収益の妨害を排除すべき義務が生じることになります。

②    修繕義務

賃貸人は賃貸目的物につき、通常の使用収益に必要な範囲で修繕をする義務を負います(民法606条1項)

賃貸人が、賃貸物につき保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は拒むことが出来ません(民法606条2項)。

ただし、賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃貸した目的を達成することが出来なくなる時は、賃借人は契約を解除することが出来ます(民法607条)。

賃貸人が修繕義務を履行しない時は修繕されるまで、賃料の一部または全部の支払いを拒むことが出来ます(大判大5年5月22日民録22、1011頁)。

③    費用償還義務

(1)  必要費

必要費の場合直ちに返還義務を負います(民法608条1項)。例えば家屋の雨漏り修繕など。

(2)  有益費

契約終了時にその価格の増加が認められる場合には、賃貸人は賃借人の支出した金額または増加額を自ら選択して償還義務を負います(民法608条本文)。

これに際し、相当の期限の許与を裁判所に請求することができます(民法608条2項但し書き)。

賃貸人が交換した場合には、新賃貸人が有益費の返還義務を承継し、旧賃貸人はその償還義務を負うことはありません(最判昭46年2月19日民集25巻1号135頁)。

※尚、これらの費用償還請求権の行使期間は1年(民法621条)になります。

※これら費用の償還が無いからと言って留置権等の行使は出来ません。

 →費用償還があるまで明渡を拒むことは出来ないということです。

④    担保責任

 担保責任を負担します(民法559条)。

 つまり、瑕疵(傷)ある目的物の場合責任を負うということです。

 ただ、実際には、特に家屋の場合瑕疵については修繕義務によって処理することが出来るから、実際に担保責任が問題となるのは目的物が他人物所有の場合や数量不足、担保物件実行により使用収益が不可能になった場合と想定されます。

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