作成日:2020.03.03

定期借地権付き建物のメリット・デメリット~好立地でも割安~


コンテンツ番号:399

Q.定期借地権付きの建物の場合のメリット・デメリットは何でしょうか。

“定借”はやめた方が良いと友人に言われたので、相談させて頂いております。

定期借地権が導入された経緯

まず、借地借家法の定期借地権に関する条文について見てみましょう。

 

(定期借地権)

借地借家法第22条:「存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。」

 

一言で言えば、「決められた期間で必ず返却される借地権」と言えるでしょう。この定期借地権が導入されたのは、現行の借地借家法から(1992年~)です。

定期借地権が導入された経緯

旧法時代は借地人の立場が非常に強く、借地権の更新が前提になっていたことから、一度土地を貸してしまうともう二度と返却されないとも言われていました。


また、借地権の契約期間が満了した場合に、土地上に建物がある場合には、地主が時価で建物を買取らなければならない(建物買取請求権)と言うこともあり、地主にとってはある意味、酷な制度とも言えました。

そうなってくると、土地を貸す地主も減ってしまい、土地を探している借地権者は困り果ててしまいます。


そこで、新法で定期借地権という新たな借地権が加わりました。更新がないので、地主としては安心して土地を貸すことが出来るようになりました。

“定借(ていしゃく)”という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。現在では、通常の賃貸借においても定借を見ることが増えてきています。


定期借地権というと、何か制限されているような印象を受け、通常の借地権よりも劣後するようなイメージを持ってしまう方もおられるかと思います。


しかし、利用の仕方によっては、地主側・借地人側双方にとってメリットがある仕組みです。

ここからは、それぞれの立場に立ってメリット等を見ていきたいと思います。

地主側のメリット等

定期借地権の地主側の最大のメリットは、決められた期間以上、土地を貸さなくても良い点です。
一時的に土地を貸したい場合や資金調達をしたい場合には非常に使い勝手が良い制度です。


現に、宗教法人(神社)で改修費用を捻出するために土地を定期借地権で貸す事例が複数見られています。

仮に、定期借地権の期間が終了し、まだ土地を貸していたいと言う状況であれば、再度定期借地契約を締結すれば、再び土地を貸すことも可能です。


定期借地権は地主にとってはメリットが強く働く権利ということができるでしょう。

地主側のメリット等

借地人側のメリット等

一方で、借地人側にとっては、割安で一等地に住むことができると言うのが定期借地権のメリットといえます。

ただ、期限が来たら更地で返還しなければならない点は最大のデメリットと言えるでしょう。
また、自己が所有している場合には発生しない、土地を借りる「権利金」や「保証金」や、毎月の「地代」や「解体準備積立金」がかかって来るのも考えておかなければなりません。

そんな定期借地権を利用する人はいるの?と思うかもしれませんが、定期借地権の多くは都市部に多く、「自分の代だけここに住めればよく、子供たちに財産を残す必要がない」というケースや、「いずれは田舎に帰るから…」というケースではむしろ定期借地権は向いているとも言えます。

また、定期借地権といっても再契約が前提とされている場合もあります。自身の人生設計に合わせて利用すれば、使い勝手の良い制度とも言えます。

なお、定期借地権を第三者に売却することも可能なので、残存期間にもよりますが、急な事情変更の場合には第三者への売却も一つの手段と言えるでしょう。

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