作成日:2017.09.29

瑕疵担保責任(環境的瑕疵、心的瑕疵)


住んでいる家屋で以前、事件があったことが分かりました。

このような場合、「瑕疵」を主張し契約を解除することはできますか?

1、瑕疵担保責任(売主の瑕疵担保責任)

民法570条:「売買の目的物に①隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。…」 

民法566条1項:「売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。」

同条3項:「前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。」

 

①民法570条の「瑕疵」とは契約上予定されていた品質・性能を欠いていることいいます。

目的物が通常備えるべき品質・性能だけでなく契約で保証された品質・性能も含めると考えられており、その他法令上の制限も瑕疵に含まれます。


そして、本件のような場合の瑕疵は「心理的瑕疵」と呼ばれます。

「心理的瑕疵」とは、例えばその建物で過去に殺人事件や自殺があったというような場合です。

建物の構造等には問題は無いものの、契約上そのような住み心地の欠陥がないということが予定されていたにもかかわらず、実際にはその欠陥が存在したため、瑕疵に該当するということです。

心理的瑕疵についてはすでにいくつかの裁判例が出ています。

目的不動産で過去に自殺や殺人事件があった、火災による死亡事故が発生した等の事案です。


まず、心理的瑕疵の定義について判例は…
「民法570条の瑕疵には目的物に物理的欠陥がある場合だけではなく、目的物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的欠陥がある場合も含まれる」

としています。


もちろん、自殺等の嫌悪すべきことがあったからといって直ちに瑕疵になるわけではありません。

それぞれの具体的事情を細かく検討して判断していきますので事案によって結論が異なります。裁判所は様々な要素を総合的に考慮し、瑕疵であるかどうかを判断しています。

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