作成日:2019.01.21

民法改正(債権法関係)


コンテンツ番号:304

民法改正の時期など

平成29年(2017年)12月20日に、「民法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」(平成29年政令309号)が公布され、改正民法の原則的な施行期日は、平成32年(2020年)4月1日とされました。

今回の民法改正の主はもの以下がありますが、今回から少しずつ分けて解説していきます。このページでは1番と2番の解説を致します。

1.消滅時効に関する見直し

2.法定利率に関する見直し

3.保証に関する見直し

4.債権譲渡に関する見直し

5.約款(定型約款)に関する規定の新設

6.意思能力制度の明文

7.意思表示に関する見直し

8.代理に関する見直し

9.債務不履行による損害賠償の帰責事由の明確化

10.契約解除の要件に関する見直し

11.売主の瑕疵担保責任に関する見直し

12.原始的不能の場合の損害賠償規定の新設

13.債務者の責任財産の保全のための制度

14.連帯債務に関する見直し

15. 債務引受に関する見直し

16.相殺禁止に関する見直し

17.弁済に関する見直し(第三者弁済)

18.契約に関する基本原則の明記

19.契約の成立に関する見直し

20.危険負担に関する見直し

21.消費貸借に関する見直し

22.賃貸借に関する見直し

23.請負に関する見直し

24.寄託に関する見直し

alt民法改正



(1)消滅時効に関する見直し

まずは、消滅時効に関する改正について見ていきましょう。

消滅時効とは、「権利が一定期間行使されない場合、権利を事項により消滅させる制度」のことを言います。

例えば、お金を貸していますが、一定期間経過すると「返せ」と言えなくなることです。

貸金返還請求権という権利が消滅し、権利を行使できなくなってしまいます。

 <現行法>
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現行法では職業別に短期消滅時効(民法170条~174条)という制度があります。

 (三年の短期消滅時効)

民法170条:「次に掲げる債権は、三年間行使しないときは、消滅する。ただし、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した時から起算する。

一 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権

二 工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権」

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通常の債権の消滅時効は、10年(民法167条)ですが、3年や2年、1年といった特別に短い期間で権利が消滅する債権があります。


170条の例ですと、医者や工事等の債権は3年間行使しないと権利が消滅します。

この点に関して、どの債権がどの程度の期間が経過すると消滅するのかが、一律でなくわかりにくいことから、統一化されます。

alt民法改正

と一律になります。

また、商事消滅時効も廃止されます。


現行では…

(商事消滅時効)

商法522条:「商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に五年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。」

とありますが、基本的には民法と統一されていきます。

alt民法改正



(2)法定利率に関する見直し

次は法定利率に関してです。

 <現行法>

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民事:年5%

商事:年6%

(法定利率)

民法404条:「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。」

(商事法定利率)

商法514条:「商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は、年六分とする。」

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現状、市中金利(金融市場において成立する標準的な金利)よりも大きく上回っています。銀行などの金利は今何パーセントでしょうか…1年預けていて金利がいくらになるか…

法定利率よりもはるかに低いかと思います。

そこで今回の改正で以下のようになります。 

alt民法改正

②については、3年を1期とし、期ごとに変動するというものです。

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