2018.10.09

配偶者居住権


コンテンツ番号:276

民法改正により配偶者居住権が新設されると聞きました。どのように変わるのですか。

【詳細解説】

1、配偶者居住権とは?

まず、「配偶者居住権」とは、「死亡した人(被相続人)の配偶者が自宅に住み続けることができる権利」

2018年3月13日に閣議決定されました。

2、背景

現状の民法では配偶者は常に相続人となることができます。

(配偶者の相続権)

民法890条:「被相続人の配偶者は、常に相続人となる。…」

一見すると、配偶者は非常に優遇されているように見えますが…

配偶者は通常、被相続人と生前同じ家に暮らしているのが通常です。その家屋も当然、相続の対象になります。

ところが、相続が発生し、遺産分割の必要性が出てくるとその権利は、配偶者だけではなく、他の相続人にもいってしまいます。

各相続人が相続分に従って自己の権利(所有権)を主張することになります。

うまく遺産分割がまとまれば良いですが、まとまらない場合は、家を売却せざるを得ない状況に陥り、配偶者は出ていかなければならなくなってしまいます。

そこで、所有権と配偶者居住権とを分けることで、この点の不都合をなくすようにするために、法改正が行われました。


※所有権と配偶者居住権を分けるとは?

一言でいうと、所有権は第三者となっても、配偶者居住権により住み続けられるということです。

配偶者が遺産分割の際の選択肢として配偶者居住権を取得できるようにし、所有権が別の相続人や第三者のものになっても自宅に住み続けることができるようにする。
これが配偶者居住権です。

3、婚姻期間が20年以上の場合の特例

婚姻期間が20年以上継続している場合、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は原則として遺産分割の計算対象とみなさないとする規定も新設されます。

長年寄り添った夫婦のみの適用です。

配偶者は常に相続人となることは変わりません。
婚姻期間が仮に一日であってもです。

例えば、妻に先立たれ、晩年になって若い女性と結婚、数か月後には夫は亡くなる…(ドラマであるようなお話ですが・・・)このような場合でも、当然妻は相続人となってしまいます。

亡き妻との間に子供がいた場合、子供らはいい気はしないでしょう。

そのため、20年以上という基準を設け、長年寄り添った配偶者には優遇をするようにしました。

4、その他の相続の改正のポイント

※遺言制度

自筆証書遺言の財産目録をパソコンなどでも作成可能にしたり、自筆証書遺言を法務局で保管することができるようになったりする制度も創設されます。

※相続人以外の貢献の考慮

相続人以外の被相続人の親族(相続人の妻など)が被相続人の介護を行っていた場合、一定の要件を満たせば相続人に金銭請求できる制度も新設されます。

血縁関係の有無は関係ありません。

 

 

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