作成日:2017.05.01

借地契約の更新手続を行うのを忘れていた場合


【借地人】借地契約の更新手続を行うのを忘れていた場合

 借地契約の更新手続を行うのを忘れていた場合、借地契約の期間はどうなりますか?

地主が特に異議を述べていない場合には法定更新期間が延長されます。

 

※ 期間は旧法か新法によって異なる場合があります。

旧法(平成4年8月1日よりも前に締結された借地契約)の場合

旧法の場合については、借地人が期間満了後も借地の使用を継続する場合、地主が遅滞なく異議を述べなければ、借地契約が更新されたものとみなされます。

これを「法定更新」といいます。

この場合、借地契約の期間は、堅固な建物(例:鉄筋コンクリート)であれば30年、非堅固(例:木造建築)な建物については20年となります。

新法(平成4年8月1日以降に締結された借地契約)の場合

新法下で締結された借地契約の期間については借地借家法にも、借地法と同じく「法定更新」の制度が定められています。

 借地借家法4条:「当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」

「法定更新」の後の期間は、最初の更新後は20年、2回目以降の更新後は10年となります。

 同法5条2項:「借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り…」

とされており、借地上に建物がある場合でなければ法定更新は認められません。

  借地権の種類  契約時の
存続期間
 
更新後の存続期間 
最初の更新 二回目以降の更新
 借地法(旧法) 旧法上の
借地権   
堅固建物   期間の
定め有
30年以上 20年以上 10年以上
期間の
定め無
 30年 20年 10年
非堅固建物 期間の
定め有
30年以上 20年以上 10年以上 
期間の
定め無
30年 20年 10年 
借地権家法(新法) 普通借地権   期間の
定め有
30年以上 20年以上  10年以上 
期間の
定め無
30年 20年  10年 
定期借地権 一般定期借地権  50年以上 更新無し
※任期満了後現状回復(更地) 
建物譲渡
特約付借地権 
30年以上 建物譲渡に伴い借地権は消滅
事業用借地権  10年以上
50年未満
更新無し
※任期満了後現状回復(更地)

正当事由について

なお、異議が述べられた場合には法定更新はされないことになります。

借地借家法(現行法)6条:「…異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。」

とあるように異議を述べられるのは正当事由がある場合に限られます。

正当事由は当事者双方の事情の一切を考慮するのですが賃貸人側での正当事由がある場合と判断される具体例としては、

①家主が自分で住むために建物が必要な場合や

②家主が自分の家族・近親者あるいは従業員を住まわせるために建物が必要な場合があります。

正当事由がない場合には賃貸人が異議を述べたとしても法定更新がされることになります。

 

新法と旧法の違いについてはコチラのページをごらんください

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