作成日:2017.02.02
【借地権者】土地の分筆と借地権(最高裁昭和30年9月23日、最高裁昭和44年12月23日)
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借地権が設定されている土地が分筆されました。家の存在しない分筆された土地について借地権を主張できますか。 |
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契約締結後に土地が分筆された場合は分筆により建物が存在しなくなった土地について借地権を主張できます。 |
1、契約締結後に土地が分筆された場合
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としています。
建物の登記の記載だけ見ると、その建物の敷地は分筆後の土地であって、分筆前の土地の借地権は公示されていないとも考えられます。
しかしながら、土地の分筆というのは基本的には地主側の都合になります。
それを理由に借地権を主張できる土地の範囲が一方的に狭められることは妥当ではないという価値判断に基づき、借地人による借地権の主張を認めました。
※ただし、「第三者に対抗し得べき借地権」であることが必要です。
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とあります。
つまり、借地権の登記が無くても建物の登記があれば「第三者に対抗し得べき借地権」となります。
※建物の登記は必要になります。
2、契約締結前にすでに土地が分筆されている場合
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としています。
これは、借地上の建物の登記により借地権を主張する場合、第三者が建物の登記を見た場合に、その建物の登記によってどの範囲の土地賃借権につき対抗力が生じているかを知り得るものでなければ取引の安全が守られないと考えられているためです。
契約前からそもそも分筆されている場合には、借地人もその分筆があることを認識したうえで借地契約をしているため、借地人を保護する必要性が低いため取引の安全を優先すべきと考えているようです。
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