作成日:2016.10.25

【底地(地主)】借地人が建物を建てて住んでいる土地(底地)を第三者に売却した場合、


C(第三者)さんはA(地主)さんから土地を買い受けました。そこにはBさんが建物を建てて住んでいます。というのもAさんはBさんに借地権を設定して地代を得ていました。CさんはBさんに対して地代の請求ができますか?

C(第三者)さんはA(地主)さんから土地を買い受けました。そこにはBさんが建物を建てて住んでいます。というのもAさんはBさんに借地権を設定して地代を得ていました。CさんはBさんに対して地代の請求ができますか?

Cさんは土地の所有権移転登記後には、地代を請求できます。

【詳細解説】

まず、基本的に契約と言うのは二当事者間の上に成立するのが原則です。そうすると、契約上の地位(賃貸人)を移転するには相手方(ここでは借地人)の同意がいるのが通常の契約です。

例えば、絵を描いてもらうと言う契約を結んだ場合、絵を描く人が変わる場合、書いてもらう人(債権者)の同意を得るのは当たり前ですよね。

しかし、賃貸借契約は賃貸人が誰になろうと賃貸人の義務内容に大きな変更はないので、相手方(借地人)の同意は不要で旧賃貸人と新賃貸人との契約で済みます。

 

そうすると、新賃貸人は旧賃貸人の地位を当然に承継し、旧賃貸人は契約関係から離脱します。

本問ではAからCへの土地の売買により賃貸人たる地位が当然に移転し、Aは契約関係から離脱します。

 

さて、賃貸人たる地位が移転するということは、新賃貸人は賃借人に対し賃料(地代)を請求する権利も当然に承継します。 

ここで賃借人の立場になって考えてみましょう。

賃借人は旧新賃貸人間の売買を感知することが難しい場合もあります。

 本当は土地の売買も無く新賃貸人になっていないにもかかわらず、賃貸人を装い賃料を請求してくる場合もあるかもしれません。

 Bさんとしては、誰に払ってよいか、また二重に請求された場合どちらに払ってよいか分からないと困ってしまいます。

 そこで、明確な基準を画するために「登記」を必要としました。

 つまり登記がある人が真の賃貸人であり、賃借人は登記名義人に賃料を支払えば賃料支払い義務は履行されたことになります。

 本問においては、Cさんは土地の所有権移転登記をすれば、Bさんに賃料請求が出来、Bさんは登記名義人であるCさんに賃料を支払うことになります。

 

※補足

借地人が敷金を預けている場合

また、旧賃貸人と賃借人(本問ではAB間)で賃貸借契約締結の際、敷金を納めている場合はどうでしょうか。

この点について判例では、敷金返還義務は新賃貸人に承継されることとしています(最判昭44年7月17日民集23巻8号1610頁他)借地契約終了後は新地主(新賃貸人)が返還することになります。

ただ、賃貸借契約終了後に賃貸人が変更になった場合には、当然に新賃貸人に移転することは無く、賃借人の承諾がいります(最判昭48年2月2日民集28巻6号1152頁)。

敷金は契約終了までの債務不履行による損害を担保するものであるので、既に契約が終了している場合は当然に移転させる必要は全くないからです。

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