作成日:2016.10.24

【底地(地主)】借地人が借地契約を順守しない、借地契約を解除することはできるか。


A(地主)さんはBさんに土地を資材置き場目的で貸したが、Bさんは土地に建物を建てて利用しています(建物保有目的で利用)。 Aさんは約束が違うとして契約を解除したいのですが、認められるのですか?

A(地主)さんはBさんに土地を資材置き場目的で貸したが、Bさんは土地に建物を建てて利用しています(建物保有目的で利用)。 Aさんは約束が違うとして契約を解除したいのですが、認められるのですか?

解除が認められる可能性が高いです。

【詳細解説】

一般に、契約は債務の不履行があれば、相当期間を定めて催告し相当期間内に履行がなければ解除することができます(債務不履行に基づく解除権の発生)。

ただ、賃貸借契約は他の契約とは異なっている部分があるので、賃貸借契約特有の側面をも考える必要があります。

借地契約(賃貸借契約)は、1回限りの履行がなされる契約と異なり、継続的に借地人が土地を使用収益する点に特徴があります。

このような賃貸借契約は賃貸人(地主)と賃借人(借地人)両者の信頼関係に基づく関係にあるのが通常の契約と異なります。

例え、1度の債務不履行(例:1ヶ月分の地代の未払い)があったとしても信頼関係が破綻するかというとそうではありません。

また、このような場合に直ちに解除を認めると社会通念上不都合な場合が多く出てしまいます。

(例:一ヶ月分の地代を払わないだけで、解除できるとすると、賃借人はすぐに退去を迫られることが多くなってしまいます。)

一方で信頼関係が破たんした場合まで解除が出来るとすると地主の保護の観点から妥当ではありません。

そこで、賃貸人賃借人との間で信頼関係が破たんするような状況か否かと言う側面から解除を認めるか判断する必要があります(信頼関係破壊の理論)。

解除が認められる可能性が高いです。

 では、本問についてはどうでしょうか。

地主Aさんは土地資材置き場にする目的で土地を貸したため、用法違反であることは明確です。

ただ、上記のように信頼関係を破綻する行為か否か、という側面から考える必要があります。 信頼関係を破綻したと認められない場合には、解除は出来ないことになります。

 

まず「資材置き場」で利用するのと「建物保有目的」で土地を利用する場合とで違いはあるのでしょうか。

①    「資材置き場」で利用する場合

こちらは、通常賃貸借契約になります。

つまり、民法の原則通りの賃貸借契約ということです。

  そうすると、賃借権の登記をしない限り第三者に対抗することは出来ませんし、期限を定めずに契約をした場合、賃貸人はいつでも契約終了を申し入れることが出来ます。

 

②    「建物保有目的」で利用する場合

建物所有目的の場合借地借家法の適用も考えられます。

 借地借家法2条1号「借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。」

 とあります。

 借地借家法では、賃貸借の登記が無くても、建物が存在し、建物登記があれば、借地権を第三者にも主張することが出来ますし、存続期間も手厚い保護が法律上認められています。

 

 

このように、建物を所有する目的で土地を貸した場合と、それ以外の目的で貸した場合では、借地借家法の適用があるかどうかという非常に大きな違いが生じることになります。

以上からしますと

Bさんは信頼関係を破綻させるような土地利用をしているといえ、Aさんは契約を解除することが出来ると考えられます。

 ※損害が生じた場合にはその賠償を請求することも可能です。

 事前にトラブルを防ぐためには、定期的に現地に行ったり、借主とのコミュニケーションを取ることが重要です。

なお、建築の途中で事実を知った場合には、裁判所に対し、仮に建築工事の続行を禁止するよう申し立てることも有効な手段と言えます。
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