作成日:2016.10.22

借地上の建物が抵当権実行で競売になった場合は、借地権はどうなるか。


C(買受人)はA(地主)の許可もしくは裁判所の許可があれば、B(借地人)が有していた借地権を取得できます。

※どちらも得られないときは、買受人は地主に対して時価で建物を買い取るよう請求もできます(建物買取請求権)

【詳細解説】

これは「建物」に抵当権が設定され、抵当権が実行された場合です。

抵当権の効力の及ぶ範囲については民法370条に「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。…」とあります。

このような敷地利用権は「従たる権利」と呼ばれ、抵当権の効力は及びます(最判昭40年5月4日民集19巻4号811頁)。

 

さて、ここで一つ問題が発生します。

抵当権が実行され、Cが建物を買い受けた場合、土地所有者A(地主)との関係はどうなるのでしょうか、AB間には直接、借地権設定の契約がありますが、AC間にはありません。

 A(地主)からすると、自分の土地を利用する人が変わるという大きな問題があります。A(地主)の立場に立つと、あまりいい気持ちはしないはずです。

 一方、Cの立場からすると、建物を買い受けたので、利用(換価)できなければ、大きな損害を被ってしまいます。

 事例のような場合、借地権の「譲渡」にあたります(※地上権の場合は異なります。)

民法612条1項には、「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」とあります。

 つまり、事例では、A(地主)の承諾が必要になり、CはA(地主)に対して承諾を求めることになります。承諾が得られない場合、CはA(地主)に借地権を対抗する(主張する)ことが出来ないのが原則です。

 では、A(地主)が承諾してくれない場合他に方法が無いかと言うと…

裁判所に申し立てを行い「承諾に代わる裁判所の許可」(借地借家法20条)を得ることで、賃借権を取得することが可能になります。

 また、承諾を求めない、承諾を得られない場合、CはA(地主)に対して「建物買取請求権」(借地借家法14条)を行使することで、建物を買い取ってもらい、換価することを選択することになると考えられます。

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