作成日:2016.10.21

抵当権が実行された場合の借地権への影響について


alt抵当権が実行された場合の借地権への影響について

Aさん(地主)はBさんと借地権設定契約を結びました。
しかし、土地(底地)部分に抵当権が設定されており、Aさんが銀行から借入金を返さないため、抵当権が実行されてしまいました。
この場合、借地権はどうなってしまうのか。
alt抵当権が実行された場合の借地権への影響について

抵当権の設定(抵当権設定登記)と借地権設定(借地権の登記もしくは建物登記)とどちらが早かったかにより結論が異なります。 


抵当権設定(登記)が借地権設定より「先」の場合

 →こちらの場合は(借地権の対抗要件を備えていても)抵当権に優先することが出来ません。

  つまり、土地を明け渡す必要があります。

抵当権設定(登記)が借地権設定より「後」の場合

 →こちらの場合は借地権を抵当権者に主張することができ、明け渡しをする必要はありません。

  ※ただし、借地権の登記orもしくは建物登記は必要です。

抵当権の設定(抵当権設定登記)と借地権設定(借地権の登記もしくは建物登記)とどちらが早かったかにより結論が異なります。

【詳細解説】

今回は底地に抵当権が設定、実行された場合、借地権はどうなってしまうのかというお話です。底地上に建物を建てて住んでいる借地人は明け渡さなければならないのでしょうか。

それでは、詳しく見ていきましょう。

 

原則として抵当権の効力の及ぶ範囲は広い傾向にあります。

抵当権の効力の及ぶ範囲については民法370条に規定されています。

「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。…


つまり、抵当権が設定されている不動産だけでなく、より広い範囲の物にも及ぶことになります。土地の利用する権利(借地権)についてもその付加一体物として抵当権の効力が及んできます。


これは、抵当権の担保価値を高めるためにできるだけ広い範囲に効力を及ばせようという趣旨です。

ただ、無制限に認めてしまうと、あれもこれもと、不都合な状況も出て来てしまいますので、調整を図る必要もあります。


そこで、抵当権設定時に抵当権者(ここでは銀行)がどのような担保価値を把握していたかを基準に効力の及ぶ範囲を決めて行けば、抵当権者にとって予測に反する事態は起こりにくくなります。

 

①の場合は、抵当権者(銀行)は抵当権設定時、借地権設定は無いものとして土地の評価をし、金銭を貸し、担保価値を把握していました。

そうすると、借地権があることで土地の評価が下がる(底地部分のみとすると)抵当権者が予想していた担保価値より、著しく評価を下げた状態になってしまいます。底地のみの担保価値しかないとすると抵当権者にとっては非常に不利益になってしまいます。

この場合は、抵当権者に当初の価値通りに優先させるべきというのは、抵当権者の立場に立てば当然ともいえます。


一方、②の場合、抵当権が設定される「前」から、借地権がある土地として(底地として)抵当権者は土地の価値を把握していました。

そのため、底地として価値を把握していたので、抵当権者にとっては何ら予測に反しない事態です。

 

借地権者からみるとどちらも底地の抵当権が実行されたと、同じような状況にも思えますが、抵当権者の立場に立って考えると結論が異なるのはお分かり頂けると思います。

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