作成日:2016.11.09

【底地(地主)】地代を上げたい場合


AさんはBさんに自己の土地をかしていますが、周辺の地代に比べて著しく安いことが判明したため、地代を増加したいと考えていますが、可能でしょうか?

AさんはBさんに自己の土地をかしていますが、周辺の地代に比べて著しく安いことが判明したため、地代を増加したいと考えていますが、可能でしょうか?

地代の額が、諸般の事情から不相当に低くなった場合には、地主は借地人に対し地代の増額を請求することができます。

【詳細解説】

 地代等(地上権の地代と賃貸借の借賃)が土地の公租公課の増減により、土地価格の上昇・低下等の経済変動により、または近隣の地代と比較して不相当となった時は、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって、地代の増減を請求できます(事情変更の原則)。
地代の額が、諸般の事情から不相当に低くなった場合には、地主は借地人に対し地代の増額を請求することができます。

 ※事情変更の原則:契約締結時に前提とされた事情がその後変化し、元の契約どおりに履行させることが当事者間の公平に反する結果となる場合に、当事者は契約解除や契約内容の修正を請求しうるとする法原理

 

 地代の増減請求が当事者に認められるとしても、当事者間に「一定の期間は地代を増額しない」という特約がある場合には、増額請求は認められません。

 もっとも、「一定の期間」がかなり長期間とされているような場合には公平の見地から妥当ではない場合も生じます。

そこで、特約当時には予測できないほど経済的事情が激変し、従前の地代を維持するのが著しく公平に反するような場合には、「一定の期間」が経過していなくても事情変更の原則が適用されて、特約の効力は失われ、増額請求も認められると考えられています

 

地主としては、まずは、「相当であると考える金額」に地代を増額したいとの請求をすることになります。

増額請求をした日にちが後々問題となる可能性もありますので、内容証明・配達証明の郵便で送るべきでしょう。

借地人が増額請求を承認せず、話し合いでもまとまらなければ、地主は、裁判所での手続をとらざるを得ないことになります。

まずは、民事調停の申立をしなければなりません(調停前置主義)。 調停が成立しない場合には、訴訟を提起することになります。

 ※「増額」について協議が整わない場合

借地権者は裁判が確定するまで自ら相当と認める額を支払えばよいとされています。

 ただし、裁判が確定して相当額と思って既に支払った額に不足がある時は、その不足額に年1割の利息を付して支払わなければなりません(借地借家法11条2項)。

 ※「減額」について協議が整わない場合

  地主(借地権設定者)は、裁判が確定するまで、相当と認める額の支払いを請求できます。受領額が裁判で確定して額を超える時はその超過分に年1割の利息を付して返還する必要があります(借地借家法11条3項)。

 

 

継続する借地契約の地代として適正な金額を算定する方法としては、次のようなものがあります。

訴訟実務では、裁判官は、不動産鑑定士の鑑定意見を参考に、これら複数の方法による金額を比較勘案し、契約の経緯や個別の事情などを考慮して地代額を算定するという総合方式によることが一般的となっています。
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