作成日:2016.11.06

【借地権者】借地人所有建物に抵当権を設定する場合


借地人(賃借人)が、借地上に所有する建物に抵当権を設定する場合、地主の承諾は必要になりますか。

借地人(賃借人)が、借地上に所有する建物に抵当権を設定する場合、地主の承諾は必要になりますか。

A) 抵当権の設定について地主の承諾は必要ありません。ただし、抵当権が実行され買受人が建物を競落するときには、地主の承諾が必要になります。

【詳細解説】

 借地上の建物は借地人が所有するもののためその使用・収益・処分は自由に行うことが出来ます。

建物に抵当権を設定することは所有者たる借地人の自由であり、抵当権の設定それ自体について地主の承諾は必要ありません。

 抵当権の効力の及ぶ範囲については民法370条に「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。…」とあります。

借地権を設定し建物を建てるという敷地利用権は「従たる権利」と呼ばれ、抵当権の効力は及びます(最判昭40年5月4日民集19巻4号811頁)。

そうすると、抵当権が実行され買受人が建物を競落した場合、建物所有権のみならず敷地の賃借権も買受人に移転することになります。

建物を所有するために必要な敷地の賃借権は建物の所有権に付随し、これと一体となってひとつの財産的価値を形成しているためです。

借地権(賃借権)の譲渡については地主の承諾が必要になります。

 このように、抵当権の設定をするときには地主の承諾は不要であるものの、買受人が建物を競落するときには地主の承諾が必要ということになります。

 

 ※地主(借地権設定者)の承諾が得られない場合。

民法612条1項には、「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」とあります。

 抵当権が実行され、譲受人が地主の承諾が得られない場合には、裁判所に申し立てを行い「承諾に代わる裁判所の許可」(借地借家法20条)を得ることで、賃借権を取得することが可能になります。

 また、承諾を求めない、承諾を得られない場合、「建物買取請求権」(借地借家法14条)を行使することで、建物を買い取ってもらい、換価することを選択することになると考えられます。

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