作成日:2019.02.20

借地権は売却可能?


コンテンツ番号:328

借地権は売却できるの?

【詳細解説】

借地権の基本知識

そもそも「借地権」とは、「建物の所有を目的とする、地上権又は土地の賃借権のこと」を言い、普通借地権、定期借地権に分かれます。

(借地権の存続期間)

借地借家法3条:「借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」

原則としては普通借地権の場合は上記になります。

新法(1992年に施行)では、定期借地権が導入されました。

「定期借地権」は「期」限が「定」められている借地権で、期間満了後は地主に土地を返還する必要があります。
借地権の更新や建物買取請求権などは、認められていません。

定期借地権の種類は下記3つになります。

①一般定期借地権

 (定期借地権)

借地借家法22条:「存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。」

定期借地権の中では一般的なもので、存続期間は50年以上、契約終了後は建物買取請求権が発生することはありません。

また、公正証書という証明力が強い書類で契約を交わす必要があります。

②建物譲渡特約付借地権

(建物譲渡特約付借地権)

借地借家法24条:「借地権を設定する場合(前条第二項に規定する借地権を設定する場合を除く。)においては、第九条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。」

例えば、借地契約を行って、地主と契約を結んだ業者が建物を建てます。

そして、業者は借地人に販売し、借地人は30年間土地の利用を行う権利を得ることができ、30年以上経ってから、地主が借地人から建物を買い取り、買い取った日に借地権が消滅します。
このような借地権を建物譲渡特約付借地権と言います。

③事業用借地権

(事業用定期借地権等)

借地借家法23条:「専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。」

 「事業用借地権」はその名の通り、「事業用」の建物を所有することを目的とした借地権になります。

なお、事業用途で使用される際に50年以上で契約を行う場合には、一般的借地権として取り扱う事になります。

2、借地権の売却について

借地権は借地権のみで売却できますが、誰に売却するのかでその手順が異なりますので、注意が必要です。

売却先ごとに解説していきます。

(1)借地権を第三者に売却する

借地権を第三者に売却する際の注意点は、地主の許可がいるという点です。

民法612条1項:「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」

同条2項:「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。」

とあります。

借地権も賃貸借の一種ですので、賃貸人(地主)の承諾がなければ、第三者には譲渡できません。

無断で第三者に譲渡してしまった場合には、解除原因となってしまいます。

(2)地主が売却に応じてくれない
では、地主が借地権の譲渡に応じてくれない場合には、どのようにすればよいでしょうか。

まずは、しっかりと話し合いをすることにはなりますが、どうしても地主が承諾してくれない場合には、裁判所に地主に代わる許可を求めることで、地主から許可を得られたと同じ効果をもらうことができます。

借地借家法19条:「借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。」

(3)借地権を地主に売却する

なお、借地権を地主に売却する場合には、当然、民法612条の地主の許可はいらないので、地主に売却できるのが一番良いと言えます。

借地権を処分(売却)する場合には、まず、地主に売却することを検討するとよいでしょう。

3、借地権売却の価格

借地権を単独で売却すると、価格は低くなりがちです(底地権よりは高く売れるケースがほとんどですが…)。

そこで、より高く売却するためには、借地権と底地権を一緒に売却することをオススメ致します。

もちろん、この場合には、地主と共同して売却する必要があり、タイミングがとても重要となります。

借地権と底地を一緒に売却する最も多いタイミングは…「借地契約の更新」と「相続が発生」した場合です。

そのタイミングは数十年に1度しかないまたとないチャンスですので、少しでも売却や処分を考えている場合には、検討したほうが良いといえるでしょう。

4、借地権の相続

借地権も相続の対象となり、借地名義人が亡くなった場合には、その借地権は法定相続人に相続されます。

遺産分割等の協議がない場合で、法定相続人が複数いる場合には、法定相続分で相続人が相続し、共同所有(共有)になります。

共有状態が続くと2次相続3次相続…となってしまうと、共有関係が複雑になってしまい、いざ処分しようと思うと権利関係が複雑になりすぎ、売却できない可能性すらあります。


共有関係はなるべく早く解消することをオススメ致します。

借地権を共有している場合でも、自己の借地権の持分のみを売却することは可能ですので、専門業者に相談するとよいでしょう。

5、業者選定のポイント

底地や借地というのは、通常の不動産とは異なり、権利関係が複雑に絡み合っています。また、共有状態などの場合には関係してくる人が多くなり、より権利関係が複雑になってしまいます。


そこで、処分を検討する際は、専門業者に依頼することが多くなると思います。


最近、底地や借地を専門に扱っていますという不動産業者も増えてきましたが、中には買取業者にも関わらず、仲介業者のように謳うなど、注意すべき業者がいるのも事実です。


仲介専門業者は契約の当事者とはならないため、客観的な立場から、客観的な判断をすることができるのが強みで当事者のどちらかの味方をするようなことはありません。


一方、買取専門業者は、自身が契約の当事者になってしまうため、どうしても自己の利益になるように交渉をしがちです(できるだけ安く買い取ろうとする)。


買取の実績や解決事例の実績を参考にしたり、実際に何社か問い合わせをしてみたりし、比較検討の上信用できる不動産会社にお任せするとよいでしょう。
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