2019.04.01

分譲団地の共有持分


コンテンツ番号:322

私Aと義母Bの二人名義で○○不動産会社の分譲団地甲を所有しています。

現在、義母Bが一人で住んでおります。

義父健在の時は義夫婦二人で住んでいましたが、義父が亡くなり、義母は次女Cが面倒を見る事になりました。

そこで、分譲団地甲をどうするのか(分割するか、私Aの持ち分をBやCに買ってもらうか。)
返答を1年以上前から手紙で(4回)お願いしていますが、何の連絡もなくどうしたらいいのかと悩んでいます。

貴社が共有持ち分の売却をされているということをインターネットで知り、まずは相談ということにしました。

②私Aの持ち分を売却できないか、終活の事前予約資金の助けにならないかと思っております。

よろしくお願いします。

【詳細解説】

①について

直接交渉を試みる

(共有物の分割請求)

民法256条1項:「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。」

とあるように、共有物について各共有者は「いつでも」共有物の分割を請求することができます。

そのため、本件でもAはB側に分割請求を試みているわけですが…

一向に連絡がない状態となってしまっています。もちろん、共有物を分割するには、各共有者の同意を得る必要があります。

連絡がなかなかつかないということですが、ひとまず直接会いに行くなど、確認を進めることが第一のSTEPといえるでしょう。

また、本件では、手紙を出しているとのことですが、手紙を出す際は、必ず内容証明郵便を使って送ることを推奨致します。

内容証明郵便は手紙を出したことと、中身について郵便局が証明してくれるものです。

内容証明郵便は非常に信頼性が高い為、後々に訴訟などがあった場合には、有力な・有利な証拠になる可能性が高いです。

ただ、現実的に4回も手紙を出しているのに反応がないので、分割やB側に買い取ってもらうという方法は難しいと考えざるを得ません。

②について

本件では、B、Cに買い取ってもらうことが厳しい以上、その他の方法を考えなければなりません。

その他の方法とは…

①共有分割請求訴訟②共有持分のみの売却

(裁判による共有物の分割)

民法258条1項:「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」

同条2項:「前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。」

本件では、交渉ができない可能性が高い以上、公的機関(裁判所)の力を借りて、強制的に分割する手段があります。

Aからの手紙には反応がない状況ですが、裁判所からの訴状が届いたとなるとBCらは、反応してくれるかもしれません。

ただ、裁判というのはお勧めできません。

理由は大きく2つあります。

ひとつ目は、裁判は費用と時間がかかること。
ふたつ目は思い通りの判決はなかなか出ないことです。

ご存知かとも思いますが、裁判には労力がいります。判決が出るまで長期間かかること、特に本件膿瘍に肉親が相手方だと、骨肉の争いになり、精神的負担がかなり大きくなってしまいます。

また、分割請求の判決も当事者の思い通りになるケースはほとんどありません。

そのため、裁判を提起する方法は推奨できません。推奨できないどころかむしろやめた方がいいです。

では、どうすればよいか…

 

ズバリ、「自己の共有持分のみの売却」をすることです。

 

共有持分については、他の共有者の同意なくして、自身の判断で売却することが可能です。

共有物全体を売却し、各共有者間で分配するよりも取り分が少なくなる可能性は高くなりますが、なかなか分割ができない状況が続いたり、訴訟になり、負担が大きくなることを考えると、自己の共有持分のみを売却する方がメリットは多いと言えます。


短期間で現金を手にできる可能性があり、終活の事前予約資金の助けにしたいという思いにも合致します。

ただ、共有状態の不動産の売却には「コツ」がいります。

依頼する不動産業者によって状況が大きく変わる可能性がありますので、数社に相談し、説明を受け、一番信用できる会社にお願いするとよいでしょう。