2019.02.18

共有名義の底地の売却相談


コンテンツ番号:312

20年前、祖父Aの死亡により相続人4人(長男B、長女C、次女D、長男嫁E)が○○市の甲土地を共有で取得しました。

その後、長男Bは死亡し、長男の子供2人(B1、B2)が相続しました。

甲土地には長男B遺族が居住し、借地権を設定したり、駐車場として貸したりと、賃貸経営をしています。

CDEらは高齢化しており、早急に分割を行いたいと考えています。

※なお、分割方法の希望は、現物分割です。今後の進め方や注意点などがありましたら、教えてください。

【詳細解説】

共有不動産の分割の方法

分割請求の時期について

共有物の分割の時期について、民法では以下の規定があります。 

(共有物の分割請求)

民法256条:「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。」

上記のように、各共有者は「いつでも」共有物の分割の請求をすることができます。たとえ、共有となった直後でもです。

本件の場合、各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができます。

共有物の分割の種類

共有物の分割の種類は以下の3つになります。 

現物分割、②代金分割、③価格賠償です。

①現物分割:文字通り現実に分割する方法です。

例)土地であれば分筆をしてそれぞれの持ち分に応じて分けることになります。

②代金分割:共有物全部を売却し、売却した代金を各共有者の持分割合に応じて分ける場合です。

例)車を共有している場合、車は2つには分けられないので、車を売却し売却代金をそれぞれ分け合い分割する方法です。

③価格賠償:共有者の誰か一人に取得させ(単独所有)、その者から、他の共有者の持分割合に応じて金銭(価格)による賠償をし、分割する方法です。

本件では、①の現物分割を希望しているとのことですが、分割の対象は甲「土地」なため、分筆が必要になります。

そのため、土地を現物分割する際は、どこをどのように分けるかが重要になります。

単純に面積で分ければと思うかもしれませんが、道路に面しているか否か、日照の状況などにより、価値は変わってきてしまいます。

土地の場合、しかも共有の人数が増えれば増えるほど、分け方は難しくなってきます。

また、本件ですと甲土地はBの遺族であるB1B2が使用しているということですので、B1らは現物分割には賛成するとは考えにくいです。

全員の同意がなければ、分割はできないのです…

注意点

現物分割を頑なに主張し、なかなか協議がまとまらない…

その先に待っているのは裁判かもしれません。

(裁判による共有物の分割)

民法258条1項:「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。

とあります。

分割の方法や内容の協議が整わないときは、各共有者が裁判所に分割の請求をする可能性があります。


裁判をするということは身内で争うという精神的負担と、裁判費用や訴訟費用、また何より拘束される時間が長くなり、肉体的、金銭的負担も大きくなります。


分割の方法は前述の3つの方法になりますが、自己の共有持分を売却することも一つの手段です。

自己の共有持分を売却することで、共有関係からは離脱でき、すっきりすることができます。


特に本件では共有者が高齢とのことですので、相続が起きてしまったらさらに関係は複雑になってしまいます。

そうなる前に売却するということも1つの有効な解決方法とも言えます。


もちろん現物分割がすんなりできるのであれば、それは良いでしょう。

ただ、選択肢の1つとして、共有持分のみの売却、これも念頭に話を進めることをお勧めいたします。