作成日:2019.02.04

借地権の名義変更について


1,借地権の相続手続き

借地権を相続した場合には、名義変更をする必要があります。とはいっても建物の登記簿の名義変更をするだけで手続きは完了です。

また借地権を第三者に譲渡・売却する際には地主の許可が必要ですが、借地権を相続する際には地主の承諾は不要で、従前の契約内容がそのまま引き継がれます。

 とはいえ後々のトラブルを避けるためにも、相続が起こった際は改めて契約内容を確認し、地主側にも相続があった旨をきちんと伝えておいた方がよいでしょう。

 また、借地権は相続税の対象になります。借地権の評価額によっては相続税も高くなってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

 

 ~相続における名義変更は義務??~

相続が発生しても、いつまでに相続登記をしなければならない、といった期限はありません。また名義変更をしなかったからと言って罰則などもありません。しかし、名義変更は早めにしておくことをおすすめします。

例えば、名義変更をせずに住んでいた家の相続人が亡くなってしまい、新たな相続人が登場することに他の相続人が納得しない場合、遺産分割協議ができなくなる可能性等が考えられるからです。こうなると簡単に名義変更をすることも困難になってしまいます。

1,借地権の相続手続き

2、借地権の名義変更手続きの必要書類

借地権の名義変更に必要な書類について解説していきます。名義変更をするだけなのですが、意外と用意しなければならない書類は多いかもしれません。

①戸籍謄本

被相続人と相続人全員の戸籍謄本が必要です。

②被相続人の戸籍の附票

被相続人の死亡時の住所がわかる書類として必要になる場合があります。

③相続人の住民票

相続人の住民票を用意する必要があります。

④遺産分割協議書

なお、遺言書がある場合には遺言書を提示することになります。

⑤印鑑証明書

基本的には相続人全員の印鑑証明書が必要になります。

⑥固定資産税証明書

固定資産税の評価額が記載されている証書が必要です。

⑦委任状

借地権の名義変更手続きを弁護士や司法書士等に任せる場合は別途委任状を用意する必要があります。

 

 名義変更は用意する書類だけでなく、手続き的にも専門的な知見が必要になるため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめいたします。

2、借地権の名義変更手続きの必要書類

3,借地権の名義変更料の相場

借地権の名義変更が生じる場面としては、①相続が起きた場合、②借地権を第三者に譲渡した場合、の2つがあげられます。

①の相続による名義変更の際には名義変更料はかかってきませんが、②の借地権を第三者に譲渡した場合については、名義変更料を地主に支払わなければなりません。名義変更料の相場は、借地権価格の10%程度です。

例)

土地の更地価格1,000万円 借地権割合が70%の場合

借地権価格は700万円

→その10%である70万円程度を名義変更料として支払う必要があります。

3,借地権の名義変更料の相場

※名義変更料は他にも、「借地権の売却の承諾料」や「名義書換料」等と呼ばれることもありますが、すべて同じ意味になります。

※借地権の譲受人が将来相続で承継する予定の者である場合、相場は3%程度まで下がります。

4,借地権の譲渡・売却について

 借地権を第三者に譲渡売却する際は、地主の許可(もしくは裁判所の許可)が必要になります。また譲渡が認められれば名義変更に伴う名義変更料を地主さんに支払う必要があります。

たとえその譲渡が裁判所による許可の場合であっても、借地人から地主に対しては財産上の給付(名義変更料に代わる性質の金銭)を命じられることが通常です。

 

一方で借地権を相続した場合、遺産分割協議が整わなかったり法定相続分通りに共同所有にしたりすることで、借地権が共有状態になっているケースも少なくないでしょう。

共有状態の借地権は持っていても仕方ないので処分したいと思われる方も多いと思います。

 自己の持分のみを譲渡売却するのであれば自己の判断で行うことができますが、借地権全体を売却譲渡する際には共有者全員の同意が必要になってしまうため、注意が必要です。

5、よくあるご相談

共有状態の借地権全体を処分したいのに共有者の一人と連絡が取れない場合、借地権全体を処分することはあきらめなければならないのでしょうか。


「行方が分からないから仕方ない、勝手に不明者の分も処分してしまおう!」というわけにはいきません。

ただいつになっても現れるかすら分からないとなると関係者は困ってしまいます。
そこで、以下の制度が用意されています。

(不在者の財産の管理) 民法25条:「従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。」


上記の通り、不在者の財産は裁判所という公正な機関の了承を得ることで処分することができます。

ただこのような事態にならないためにも、借地権を共有状態は可能な限り回避したほうがよいと言えるでしょう。

※検察官は公益の代表という役割も担っているため、利害関係人の他に検察官も上記のような請求ができるとしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

借地権の名義変更もその発生原因によって、用意しなければならない書類や手続きが変わってきます。

また名義変更料(名義書換料)は個別的事情によって具体的な承諾料の金額が判断されるため、相場とは違う結論となることもあり得ます。

実際に借地権の名義変更問題に直面されている方は、一度当社までご相談ください。

独自の入札システムで借地権・底地を売却