2018.12.03

借地人が認知症の老人


コンテンツ番号:292

私(A)が持つ底地の件での相談です。

東京都○○区に60年前からの甲借地上の老朽化した乙家屋に90歳のBが一人で生活をしています。

乙家屋はBの氏名で登記済みです。

甲土地の賃貸借契約書は昭和53年に先代が締結したようで、書類も残っています。

私も年を取り、先も長くないので、財産を整理しようとしています。

底地は残しておいても、たいして価値はないし、子供たちに残してもかわいそうということで、底地権をB側に買い取ってもらえないかと交渉をしたところ、Bは問題ないと回答してきました。

しかしながら、Bの息子であるCが出てきて、反対しており、「Bが認知症であることをいいことにひどいことをしようとしている」とまで言われてしまいました。

土地を残しても固定資産税が高く、子供たちに手間ばかりかかるので、甲土地を手放しても構わないと思ってもおります。

何か良い解決方法はありますか。


【詳細解説】

1、高齢者との売買契約は危険

本件での借地人Bは90歳と高齢です。

もちろんしっかりしている人もいますが、高齢の人と本件のような交渉をするのはリスクが高いです。

そのため、息子や親族などの代理人を立ててもらい交渉にあたるべきです。

(多くの人がそうするとは思いますが・・・)

2、底地の整理方法

さて、ここから本題に入ります。

底地を整理する方法はいくつかあります。

(1)底地を借地人に売却、または、借地権を買い取る

(2)底地と借地を第三者へ同時に売却

(3)底地のみを第三者に売却

(1)底地を借地人に売却について

一番良いのは、底地を借地人に売却することです。借地人に売却できれば、一番高く売却できる可能性があります。

借地人の多くは、底地を買い取って、完全に自己の土地にしたいという思いはあります。

借地人が買い取ってくれるのであれば一番スムーズにかつ高値で売れる可能性が高くなります。

もちろん、資力がない場合や、いらないと言われてしまえばそれまでですが…

逆に借地人側から買い取ることも一つの手段です。

特に本件のようなケースでは、老人が一人で暮らしているような状態で、借地権を買い取るチャンスとも言えます。

Bの子供たちの目線から考えると、高齢の母親を一人では置いておけない。施設に入れるか、引き取って看病をするか…ということが考えられます。

そうすると、乙家屋は不要になります。

借地権を売却した代金で母親の介護費も賄えるとなれば、借地権を売却することに前向きになってくれることでしょう。

(2)底地と借地を第三者へ同時に売却について

本件では、地主であるAさんは甲土地を手放してもよいとも考えています。

そこで、考えられるのが、底地権と借地権を同時に第三者へ売却するという手段です。

もちろん、同時に売却するには、借地人側の承諾・協力も必要にはなりますが、(1)でも述べたように、借地人側も売りたいと思う可能性は高いはずです。

底地権と借地権を売却する?なんか難しい…と思うかもしれませんが、「底地権+借地権=完全な所有権」なので、単純に「甲土地の売却」と思って頂いて問題ありません。

利用権限が制限されている底地や、完全な所有権ではない借地権よりも当然、高く売却することもできるので、それぞれが単独で売却した場合よりも、多くの売却代金を手にすることができる可能性が高くになります。

ただ、土地が売れるかはわかりませんし、希望価格で売却できるかもわかりません。

やはり、地主側・借地人側間で解決できるのが一番スムーズとは言えるでしょう。

(3)底地のみを第三者に売却について

(1)(2)には、借地人側の承諾や協力がいります。

借地人側が反対したり、協力してくれなかったりすると、実現できません。

あとは、そのままにしておくか、底地のみでの売却を考えていかざるを得ません。


底地だけで売却なんてできるの?と思う人もいるかもしれませんが、売却はできます!もちろん、絶対にというわけではありませんが…


どうせ売却できても安いんでしょ?と思う方もいるかもしれませんが、思っている以上に高値で売却できるケースが多くあります。

とにかく高く売りたいなら、底地買取の専門業者ではなく、仲介をしてくれる業者に頼むと良いでしょう。

仲介業者は底地を買い取ってくれる投資家などと太いパイプがあります。


一方、底地買取業者は、買取価格より、高く転売することで利益を得るので、当然買取価格は安くなってしまいます。


仲介業者を介すと売却に時間がかかるイメージがあるかもしれませんが、当社の経験ですと底地買取業者が買い取る期間と変わりはありません。

 

もちろん、状況によって異なってきますので、いろいろな業者に話を聞くのも良いかもしれません。

借地売却

底地売却