2018.10.22

賃料の低い底地権の共有をめぐり兄弟の意見が食い違う


コンテンツ番号:280

Aさんは数年前、父親の死亡により、借地権付きの建物が建っている底地を兄B、姉Cとともに相続しました。

借地契約が結ばれたのは相当昔のことであり、借地人は亡き父と古くからの付き合いがある人だったため、賃料はいわゆる友達価格で、なんと3,000円/月という程度です。

これではあまりに低すぎると、弁護士の先生と相談して、借地人Dと賃料の賃上げ交渉を行ったものの、雀の涙程しか賃料を上げることができませんでした。

賃料収入だけでは固定資産税すら、全額納付することができず、完全に赤字状態です。

どうせ持っていても損ばかり増えてくる土地なので、いっそのこと、第三者に売却したいとAは思っていますが、兄Bは「親から引き継いだ土地なので手放したくない」、姉Cからは「借地人に土地を買い取ってほしい」というように、
三者三様のそれぞれ違う意見を持っていました

共有者全員の意見がバラバラで、一向に自体が進まない中で、嫌気のさしたAさんは、
地元の不動産屋さんへ処分できないか相談しようと考えています。

【詳細解説】

1、①について

「Aさんは数年前、父親の死亡により、借地権付きの建物が建っている底地を兄B、姉Cとともに相続しました。」

とあります。

(相続の一般的効力)

民法896条:「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」

(共同相続の効力)

民法898条:「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」

民法899条:「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」

とあります。

本件では、ABCは兄弟姉妹なので、それぞれの法定相続分は3分の1ずつになり、遺産分割協議や相続放棄などの事実がないことから、ABC3人はそれぞれ、3分の1ずつ共有することになります。

2、②について

(共有物の変更)

民法251条:「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」

とあるように、共同所有している不動産「全体」を処分や譲渡したい場合は、全員の意見がまとまらないといけません。

本件の場合、ABCの意見は、現時点ではバラバラで、共有不動産全体を売却するには、意見をまとめなければなりません。

話がまとまらない場合は本件Aのように第三者に売却するほかなくなってしまいます。

共有状態の場合、自己の持分だけを処分・売却することはできます。

売却することで他の共有者との面倒なやり取りなどからも解放されますし、売却代金も手にすることができます。

特に相続がらみとなると、話がまとまらないどころか・・・

(この後はご想像におまかせします・・・)

3、③について

さて、話を戻しまして、本件では、共有持分の相談を地元の不動産屋さんへ持ち掛けようとしています。

ただ、共有持分は権利関係が複雑で、専門的知識が非常に重要になってくる分野です。共有状態の不動産を処分する際に、業者の選定のポイントは、主に3つです。

(1)広範な投資家ネットワークがあるか否か

第三者が買い手となる場合において、買取業者を除くと共有持分を買い取るほとんどが、投資家です。

相談先の不動産業者が投資家らとのネットワークがどれくらいあるかが、共有不動産を売却できるか否かのポイントになります。

 

(2)売り手の立場で契約書を作成してくれるか

売り手の立場に立って、特約条項を盛り込んでくれるか等、契約書作成の際に親身になってくれるかです。

 
(3)専門家(弁護士・司法書士・税理士・不動産鑑定士等)の専門家と強固なパートナーシップを組んでいるか。

弁護士や司法書士と言っても共有持分に精通している専門家は意外と少ないです。

しかし、共有持分に詳しい不動産屋がタックを組んでいる専門家は当然、信頼でき、知識や経験もある専門家の可能性が高く、問題解決をスムーズに行える可能性が高まります。

 

表面上は共有持分を買い取ります。と謳っている不動産業者も実は上記3つがある業者は少ないのです。

しっかりとした専門の業者を見極められるか否かが非常に重要です。

 

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