作成日:2017.11.09

更新のタイミングで更新料を高額で請求~意地悪な地主~


更新のタイミングで更新料を高額で請求~意地悪な地主~

私は、土地借りていますが、来年が更新時期に当たります。

先日、地主の代理人弁護士から、更新料として500万円を請求する通知がきました。

とてつもなく高く、支払いすることができそうもありません。

そこで、地主の代理人の弁護士の先生に連絡をし、安くしてもらえないかと交渉しましたが、「他の借地人も同様で、皆支払いをする、あなただけ例外扱いはできない」と言われてしまいました。この金額は妥当なのでしょうか。

更新のタイミングで更新料を高額で請求~意地悪な地主~

1、借地権の更新料

借地権の更新料の相場は、借地権価格の5~10%等といわれることもありますが、実は法律上は、更新料は借主に支払い義務はないのです。

地主が、更新料を請求できるのは、
①更新料の合意がある場合
②合意がない場合は、その地方に更新料支払いの慣習ないし慣習法がある場合
の二つです。

2、更新料の合意がある場合

借地権の設定契約の際に、更新料支払いの合意がある場合、地主は更新料の請求をすることができます。

しかし、更新料が請求できるといっても、いくらでも請求できるわけではなく、その金額が「相当」である限り有効とするのが、多くの裁判例です。

裁判例を見てみましょう。

♦参考判例①:東京高裁平成11年6月28日判決

判旨:「更新特約は、「本契約期間満了のとき賃借人において更新契約を希望するときは賃貸地の時価の2割の範囲内の更新料を賃貸人に支払い更新契約をなすべきことを当事者間において予約した」というものであるが、この特約によって本件賃貸 借契約の更新に伴い当然に一定の額の更新料請求権が発生すると認められるかどうかはともかくとして、右特約の趣旨に照らせば、 賃借人たる控訴人において本件賃貸借契約の更新を希望する以上は、少なくとも、更新料についての当事者間の合意の成立に向けて真摯な協議を尽くすべき信義則上の義務があると解すべきである

♦参考判例②:東京地裁昭和59年6月7日判決

判旨:「昭和39年11月15日原告と被告らとの間に結ばれた契約の中には、賃貸借の存続期間が満了したときは、 双方協議の上賃貸借契約を更新することができ、この場合には借地人は地主に対しそのときにおける土地の売買価格の1割の更新料を支払わなければならない旨の条項が存することが認められる。

・・・・これは、将来賃貸借契約の存続期間満了時に当事者双方の合意で契約を更新することができ、その場合には賃借人は一定額の更新料の支払を要することとしているにとどまり、法定更新の可能性が否定されるものでないことはもとよりであり・・・土地の売買価格の1割という今日の世間相場からみれば異例に高額なものである

・・・・本件における更新料支払に関する特約は、他に特段の事情のない限り、法定更新の場合には適用されないものと解するのが相当である。そして本件では、賃借人に更料支払の義務を負わせるのを相当とするような特段の事情があるとは認めることができない。」


上記2つの裁判例からすると、「土地の価格の〇割」の更新料という条項があったとしても直ちにそこ金額が更新料の価格となるわけではなく、更新料についてお互いに協議をする義務を負うにとどまっているといえます。


したがって、契約条項内に「土地の価格の〇割」という文言があるからと言って当然に更新料を支払う義務は発生しません。

3、更新料の合意がない場合

合意がない場合は、その地方に更新料支払いの慣習ないし慣習法があれば、賃借人は更新料支払いの義務があるとしています。

慣習に関する参考判例を見てみましょう。

♦参考判例③:最判昭51年10月1日判決

判旨:「宅地賃貸借契約における賃貸期間の満了にあたり、賃貸人の請求があれば当然に賃貸人に対する賃借人の更新料支払義務が生ずる旨の商慣習ないし事実たる慣習が存在するものとは認めるに足りないとした原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして、是認することができ・・・」


としています。

実際裁判で、更新料を払うという慣習を認めるケースはなく、慣習を根拠に更新料を認められるとはまずないといえます。

 

法律や裁判例を見ると高額な更新料を支払う必要はなさそうです。

ただ、それを地主は良く思わないでしょう。

今後住みにくくなってしまうこともあるでしょう。

円満に解決するには法律論や裁判例を根拠に交渉するだけでは足りません。

本件では更新料を支払う、ただ、価格を安くしてもらえないか、等も考えられます。

当社ではお客様にとって最適な解決方法をご提示させて頂きます。

まずは一度、ご相談下さい。
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