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地主が国や地方公共団体になる場合|弁護士Q&A

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地主が国や地方公共団体になる場合

土地の所有者が変更になるケースとは

地主が亡くってしまい、その土地の所有者が東京になったとありますが、国や地方公共団体が地主となることはあります。 例えば、地主側に相続がおこり、相続税が払えない場合は物納という形がとられます。 また、地主側に相続人がいない場合には、国庫へ帰属する形となり、国(厳密には財務省)や地方公共団体が地主の地位になることは十分にあり得ます。

地主がなくなった場合に財務省が地主になっている図

借地権の売却を考えていますが、東京都への売却は可能でしょうか

通常の地主(個人)であれば、借地権の売却交渉などを行えます。しかし、国や地方公共団体への借地権売却は難しいと考えた方が良いです。
そのため、第三者への売却尾検討していくことになります。 借地権の譲渡は、租税特別措置法第34条の2第2項第4号に規定する「公有地の拡大の推進に関する法律第6条第1項の協議に基づき地方公共団体に買い取られる場合」に該当しませんから、同条の規定の適用はありません。」と国税庁も正式に回答しており、国等が借地権を買い取ることはありません。

参考:国税庁のホームページ

第三者への売却の場合、東京都は承諾してくれるのでしょうか

国や地方公共団体が借地権を直接買い取ってくれない場合は、第三者への売却をすることになります。
今まで何度も解説してきましたが、借地権を第三者へ譲渡・売却する場合には、地主の許可がなければいけません。つまり、借地権の譲渡の際、国や地方公共団体の許可を取り付ける必要があるということです。この点に関しては、国や地方公共団体が承諾をしないということはほとんどありませんので、ご安心ください。

売却後の関係

借地権を第三者に無事売却・譲渡できた後は、その第三者が新借地人となり国・地方公共団体は変わらず、地主という法律関係になります。なお、旧借地人は当事者関係から離脱します。

この記事の監修者

岡田 卓巳オカダ タクミ

弁護士

弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。地代滞納、建物明け渡しなど借地権・底地権の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。

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