天然果実・法定果実とは|用語集
天然果実・法定果実とは
果実
意義:物から生じる収益をいう。
詳細解説
収益である果実を生じる元になる物を元物という。天然果実と法定果実の2種類に分けることができる。
天然果実
民法88条1項:「物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。」
具体例:果樹園で採取された果実や菜園で収穫した野菜、牝馬が出産した仔馬、竹林から採取された筍、鉱山から採取された鉱物や採石場から採取された石材などがこれに当たります。
法定果実
民法88条2項:「物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。」
具体例:賃料や貸付金の利息などです。
抵当権との関係について
この果実については、抵当権との関係でよく問題になります。
不動産に抵当権が設定された場合にその果実(例えば、賃料等)にその効力が及ぶのか、という問題です。
民法371条:「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。」
とあります。無制限にその果実に効力が及ぶとするのではなく、「不履行があった」「後」に生じた果実については、その効力が及ぶこととし、調整を図っています。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。地代滞納、建物明け渡しなど借地権・底地権の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。